囲碁ソフト「ネット囲碁学園」体験レポート

囲碁ソフト「ネット囲碁学園」AI 体験レポート

「株式会社ネット囲碁学園」は、2016年に中国人の方志昌 氏がインターネットによる囲碁普及のために日本で作った会社。

日本棋院の三村智保九段が顧問になっている。  ネット囲碁学園ホームページ

ネット囲碁学園が提供しているフリー囲碁ソフト「ネット囲碁学園」を使い、パソコンでウェブカメラを使い相手の顔を見て会話しながらネット経由の指導碁が受けられる。

2019年8月1日付でAI 思考エンジンLeela Zeroを組み込んだ「ネット囲碁学園 Ver8.2」がリリースされたので使ってみた。

環境

導入

ネット囲碁学園のホームページから囲碁ソフトをダウンロードしアイコンがデスクトップに作られたら言語を日本語にして導入終了。

参考) :「network.gz」という大きさ39Mのnetworkファイル(経験が蓄積されたdeep learningファイル)が "WindowsのProgram files(x86)/Igo Campus"フォルダーに他のファイルとともに導入される。
 最新のnetworkファイルを使用したい場合はNetwork Hashから長い名前(例:"et09cd53....60b.gz")のファイルをダウンロードし、"network.gz"に名前を変えて元のものと入れ替える。但し環境によっては重くなるので元のファイルはリネームして保管しておく。

ネット囲碁学園 Ver8.2では、networkファイルのダウンロード機能が付いている。エンジンを停止し「設定」でダウンロード出来る。

AIの使い方

AI碁盤をクリック

画面下のAIを開くをクリックしAIエンジンの起動を待つ

AIエンジンが起動された画面。碁盤クリアで置き石、コミの変更も可能。自動分析にチェック。

「対局(黒番)」にチェック。

AIヒントを押すとAIの推奨する手がアルファベットで勝率、playouts(検討したシミュレーション数)とともに表示される

AIヒントで盤面に表示された候補手の上にカーソルを載せると参考図が表示される。ここではAの手(下辺3線のアテ)の参考図


 

棋譜評価

中央上の開くで棋譜(sgf)を読み込み、自動分析にチェック。中央の薄い青の矢印アイコンを使って操作する。「最初に戻る」で一手目からマウスのホイールまたは「一手進める」でAIの評価スピードに合わせて(勝率チャートに評価の赤い文字が出る)進めていく(*Ver8.3から自動評価機能が付いた。)。勝率チャートは上にいくほど黒の勝率が上がる。勝率(%)の下の黒白のチェックマークで白からみた評価にも出来る。
 左上B29(黒29手目:E-14)は-3.6で勝率チャートで黒が46.9%と下がった。

B29(左上:A)ではどこが候補か一手戻すと右辺の打ち込み(水色:Q-12)という。参考図が右側に表示されている。
 右上の勝率チャートと勝率変化チャートの白石または黒石の上でダブルクリックするとその時点の棋譜が表示される。

テレビ棋戦などを見ながら棋譜を入力しているときマウス操作をミスする時がある。うっかり「手番削除」で入れ直さずホイールだけで戻して再入力した時、sgfとしては別のツリーになるので、後で読み込んでもここで表示が停まる。別のツリーがある時は下向きの矢印「次の変化」に色がついているのでこれを押す。

シチョウ

左辺でわざとシチョウにとられる(C-12)ようにして、後で下辺にシチョウ当たりを打った(N-3)がAIは気が付かなかった。最後まで追いかけてくる。AI共通の弱点のようだ。

画面の動画保存や、碁盤に書き込みなどのツールがあり、問題集なども楽しめる。

Ver8.3

9月5日にVer8.3がリリースされた。アプリを起動するとVer8.2から自動更新される。

棋譜(4子局)を読み込んで、最初から分析自動の両方にチェックを入れると、手順が自動で進み同時に評価も表示される。途中で自動のチェックを外して、自分検討を押して別ウィンドーで検討できる。再開する時は自動にチェック。

エンジンを停止してAI設定からAIの考慮時間を設定できる。テストケースでは最小の「5秒/手」で十分のようだ。

Ver8.6

2020年2月8日にVer8.6がリリースされた。アプリを起動すると自動更新される。思考エンジンがこれまでのLeelaZeroに加えてKataGoが使えるようになった。

KataGoはDavid J. Wu氏が作成したもので地の考え方を取り入れており、AIでの学習効率が他のAIを上回っているという。

LeelaZeroは勝率を%表示しているが、KataGoは勝率、playoutsに加えてリードしている目数も表示される。

KataGoはPC環境として画像処理のGPUが使えることが前提。
 ( グラフィックボード(グラボ)の確認方法とその見方)

(*1) 使用しているノートPCはLenovo社製で、最初から付属していたGPUはAMD製(Radeon)。LeelaZeroを導入したときにGPUを使おうとし、動かなかったのでNVIDIA製GPU(GeForce)でなければ作動しないものと諦めていたが、今回、方志昌 氏のfbにOpenCLの関連記事が載っていたので、OpenCLの導入を検索してAMD製GPUドライバー(AMD Radeon(TM) Vega 8 Mobile Graphics)を自動更新したため、KataGoとLeela ZeroのGPUが動くようになった。GPUについてはよく分かっていないがAMD製GPU(Radeon)ドライバーを最新版にすると囲碁AIでGPUが使えるようだ。
 (AMDドライバー自動検出ツールを使用してグラフィックス・ドライバーを取得する方法)


AIが起動したらいったんエンジンを停止して、KataGoに切り替える。最初だけtuningの時間が掛かり、進捗状況はコンソール画面で分かる。2度目からは短時間でKataGoが起動する。

碁盤クリアでコミの設定も出来る。コミ6.5にすると、最初の碁盤の画面で黒の勝率49.3、playoutsの下に、目数-0.1と出る。コミ7.5にすると、黒の勝率44.3、目数-1.0と出る。日本ルールのコミ6.5で使える。

昨年芝野虎丸新名人が誕生した44期名人戦5局の黒が投了した最終図。

2子局に設定して一手目に白が左上星、黒が右下星に打った後、左下白の三々入りは勝率2.2%目数-18.7と表示される。


2020年2月10日に対局があった第23期ドコモ杯女流棋聖戦3番勝負の第3局。(白:上野愛咲美女流棋聖、黒:鈴木 歩七段、黒の3目半勝ち)

棋譜を読み込み分析自動にチェックし、最後まで自動分析させてチャートが大きく変化した部分をクリックするとその時点の棋譜に戻る。スクロール表示にして自動のチェックを外す。

右上で黒が一線に下がった175手(T14)で勝率が大きく下がった。次の手AIの予想は上辺二線にのび(O18)。白は捕られているが攻め捕りになるため大きな手だったようだ。ところが白は左下に打ったため白の評価が大きく下がった。チャートでは大きく数十%も動くことがあるが目数では2、3目のようだ。


Ver9.2

KataGoはGPUが前提だったがv1.6からCPUでも使えるようになった。これに伴いネット囲碁学園 Ver9.2からKataGo CPU版が選べるようになった。

KataGo(CPU-AVX2)はintelプロセッサーの拡張機能を使用。


 
 
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