アメリカの町、ABC順の美術館巡りもEが終わった所です。 アメリカばかりでも食傷するでしょうから、次はイタリアをABC順に行きましょう。
イタリアABC順の最後(第577回)はベルガモの途中でした。 ベルガモの旧市街の東端近くにあるのが 「サン・ミケーレ・アル・ポッツォ・ビアンコ教会」。
8世紀に創設されたこの教会は「白い井戸の聖ミケーレ教会」という意味ですが 建設当初は白い大理石で囲われていたと思われる井戸は 現在はコンクリート壁で保護されていました。
この教会も何度か改修されて来ていますが、その度にフレスコ画が描かれており、 入口横の壁には15世紀に描かれた作者不詳の「玉座の聖母子」がありました。
内部は木天井の簡素な単廊式で12-13世紀に再建されています。
中央祭壇のフレスコ画はジョヴァンニ・バッティスタ・グアリノーニ(1548-1579) というベルガモで活躍し、油の乗ってきた時期に 病で急死した画家が1576年に完成させています。
中に1点、怪獣に襲われる船と人々を描いた珍しい図像の絵があり、興味深い。
主祭壇に向かって左側の礼拝堂は第554回で詳述したロレンツォ・ロットが、 1525年に完成させており、「聖母マリアの生涯」の各場面を描いています。
ロレンツォ・ロットはベルガモ出身の両親の下にヴェネツィアで生まれたのですが 1513年から26年までベルガモを本拠地として,多くの作品を制作しています。
「訪問」は説明が必要でしょう。この言葉はVisitationの訳です。
英語では、文中でも大文字のVから始まるこの語は、聖母マリアが受胎告知の折に、 親類のエリザベトが妊娠6カ月であることを知らされ、 彼女を訪れたという、ルカ福音書の出来事を意味します。 絵画の主題としてよく採り上げられています。
この後エリザベトの産んだ子が、洗礼者ヨハネとなり、キリストを洗礼するのです。
14世紀に描かれた作者不詳の「受胎告知」もあります。
地下聖堂にはベルガモで活躍したアントニオ・ボセッリのフレスコ画 赤いマントが目立つ「聖クリストフォロス」がありました。
クリストフォロスとは「キリストを背負ったもの」という意味で、 人々に奉仕するために、人を背負って川を渡らせていた巨人の彼が、ある日、 キリストを背負って渡らせてあげた、という伝承に基づくものです。
彼がまだ幼いキリストを背負って川を渡る絵は、頻繁に目にします。