戻る

美術館訪問記 - 648 サンタ・クエバ礼拝堂、Cadiz

(* 長野一隆氏メールより。写真画像クリックで原寸表示されます。)

添付1:サンタ・クエバ礼拝堂入り口

添付2:下の礼拝堂の十字架像

添付3:上の礼拝堂内部

添付4:ゴヤ作
「最後の晩餐」

添付5:ゴヤ作
「大勢に食事を振る舞うキリスト」

添付6:ゴヤ作
「王の息子の披露宴のたとえ」

添付7:上の礼拝堂ドーム

前回のサン・フェリペ・ネリ礼拝堂から400m足らず東へ行くとあるのが「サンタ・クエバ礼拝堂」。

サンタ・クエバとはは「聖なる洞窟」の意味です。

スペインの旧市街によくある狭い通りに面しており、礼拝堂の全体像は撮れません。入場料を払って、教会の入口には珍しい狭い階段を降ります。階段は薄暗く、まさに洞窟に降りていくような感じです。

降り立った場所は1783年建立の礼拝堂。ここはガランとしていて、十字架像以外、特筆すべきものはありません。

戻って階段を上がると、中2階が展示室になっていました。

更に階段を上がると、装飾豊かな1796年建立の礼拝堂に出ます。上下、二重構造で異なる二つの礼拝堂があるという、面白い造りです。入口直ぐが狭い階段といい、こんな教会は世界に二つとないでしょう。

壁の上方前後にフランシスコ・デ・ゴヤの半円形の3作品がありました。ゴヤには珍しいアカデミック・クラシックな宗教画です。

「最後の晩餐」と「大勢に食事を振る舞うキリスト」、「王の息子の披露宴のたとえ」の3点です。

いずれも新約聖書に記載された話で「最後の晩餐」は説明の要はないでしょう。

「大勢に食事を振る舞うキリスト」は、キリストが遊説中大勢の付き従う人々にたった七つのパンと少しの魚で、皆を満腹させたという奇跡です。

聖書には、「一同の者は食べて満腹した。そして残ったパンくずを集めると、七つのかごに一杯になった。食べた者は、女と子供とを除いて四千人であった」と書かれています。異教徒には白髪三千丈のように聞こえますが。

「王の息子の披露宴のたとえ」は「天国は、一人の王がその王子のために、婚宴を催すようなものである」というキリストの言葉で始まります。

王は僕を遣わして人々を招待しますが、誰も出かけず、中には僕を殺してしまった者もいた。王は怒って軍隊を送ってそれらの人殺しどもを滅ぼし、町を焼き払った。

それから僕たちに言った、「婚宴の用意はできているが、招かれていたのは、ふさわしくない人々であった。だから、町の大通りに出て行って、出会った人はだれでも婚宴に連れてきなさい」

王は客を迎えようとして入って来て、礼服をつけていない一人の人を見て、彼に言った、「どうしてあなたは礼服をつけないで、ここに入って来たのですか」しかし、彼は黙っていた。

そこで、王はそばの者たちに言った、「この者を放り出せ。招かれる者は多いが、選ばれる者は少ない」

つまり、礼服は神への真実の信仰の象徴で、神から天国へ平等に招かれても、実際に辿り着くには、誠実に神を信じるしかないという事のようです。

礼拝堂内ではハイドンの「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」が静に鳴り続け、敬虔なムードを醸し出していました。

この曲はサンタ・クエバ礼拝堂の司教が説教に際して、会衆を黙想させるためにハイドンに作曲を依頼したという宗教曲の傑作なのだとか。

上の礼拝堂には他にも幾つかのフレスコ画やレリーフ、彫刻が飾られていました。