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美術館訪問記 - 545 ボストン美術館- 2、Boston

(* 長野一隆氏メールより。写真画像クリックで原寸表示されます。)

添付1:ボストン美術館正面

添付2:ボストン美術館内部

添付5:日本の仏像展示室

添付6:1階と2階をつなぐ階段

添付7:河鍋狂斎(暁斎)作
「風流蛙大合戦之図」

添付8:河鍋狂斎(暁斎)作
「狂斎百狂 どふけ百万遍」

添付9:イサム・ノグチ作
「古典習作」

添付10:朝鮮美術展示室

今回は前回の「ボストン美術館」の続きです。前回と同じく日誌のコピー。

2011年10月16日(日)。金曜日に見残した部分を観て回る。着いたのは2時半頃。日曜日は4時45分に閉まるので、後2時間余りしかない。

ボストン美術館は確かに大きいが、逐一観ずに駆け足で回る分にはそれ程でもない。1時間足らずで一通り回ってしまった。

アレックス・カッツとルシアン・フロイドの絵が目に付いた。二人とも段々好きになってくる。フロイドは今夏亡くなってしまったが。

ボストン美術館の日本美術コレクションも有名。1階と2階に分かれて展示されていて、1階には刀剣類が、2階には仏像、掛軸、屏風が展示されている。

特に2階部分は仏像を展示するために特別に造られた寺院建築になっていて、まるでどこかのお寺に迷いこんでしまったような錯覚を覚える。

日本美術を含めたアジア美術セクションは、全て新館にあるので演出が凝っている。例えば、日本美術セクションの1階には障子 がたくさん使用されていて、雰囲気を出している。1階と2階をつなぐ階段もなかなか見事。

日本美術の展示面積はかなり大きいものの、仏像展示に最大の面積を取っており、絵画・版画は2部屋しかなかった。

河鍋暁斎の3連浮世絵が5つあったが、どれも奇抜で面白かった。他の画家の3連浮世絵も幾つかあった。これまでは歌川国芳の3連浮世絵を観た記憶はあるが、河鍋暁斎の物は初めてだと思う。

ここは流石に作者名もタイトルも英語と日本語で両方表示されていた。河鍋暁斎の名前もちゃんと河鍋狂斎(暁斎)としてあった。彼は1871年に名前を狂斎から暁斎に変更しており、展示されていたものは皆それ以前に作成されたものだった。

当然と言うべきか、日本人画家の油彩画は唯の1点もなかった。国吉康雄も藤田嗣治もなかった。イサム・ノグチの彫刻は1点だけあった。

ブックショップへ行って、ひょっとして昨日入手できなかった新刊のイザベラ・ステュアート・ガードナー美術館関連の本が置いていないか聴いてみる。

一番大きなブックショップへ行くと、ここにはないが、出入口の所にある小さなショップには有るかもしれないと言う。

行ってみると、スタッフが真剣に探してくれたが見つからない。ただ全米ベストセラーになっているという、「ガードナー美術館盗難事件の謎」という本が山積みになっていた。そのスタッフもこの本はとても面白いと言う。日本に帰ったらAmazonで買ってみよう。

金曜日にヨーロッパ、アメリカ美術部門を観終わって、セザンヌ、ボナール、ヴィユヤール等が無いのが気になっていたが、今日隅から隅まで見てもやはりないので、インフォメーション・デスクへ行って確認してみた。

3人がかりで調べてくれたが、やはりないらしい。印象派の殿堂という謳い文句から、当然あるものだと思っていたが、セザンヌがないというのは意外だった。

しかし、ホテルに戻ってインターネットのHPで調べると5作品も所蔵していた。ボナール、ヴィユヤールも所蔵している。あの3人は何を調べていたのか。

後、少しうろついて、看視員達がソワソワし出した4時35分頃出る。

この美術館もメトロポリタン美術館同様、ゼロからスタートし、民間の組織として運営されて来て、所蔵品が45万点を超えるというのだからたいしたものだ。



(添付3:アレックス・カッツ作「肩越しに見ているアダ」及び添付4:ルシアン・フロイド作「スージー」は著作権上の理由により割愛しました。
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