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美術館訪問記 - 544 ボストン美術館- 1、Boston

(* 長野一隆氏メールより。写真画像クリックで原寸表示されます。)

添付1:ボストン美術館正面

添付2:ボストン美術館エントランス・ホール

添付3:マイヨール作
「夏のトルソ」

添付4:レンブラント作
「スタディオでの画家」

添付5:ニュー・アメリカン・カフェ 写真:Cambridge 2000 Gallery

添付6:ゴーギャン作
「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか」

添付7:「ドガとヌード」展ポスター

添付8:ボストン美術館内通路

添付9:エドウィン・アビー作
「パヴァーヌ(行列舞踏)」

添付10:ロー・クラム(生蛤)

アメリカで最も歴史の古い街の一つボストンには著名な「ボストン美術館」があります。

アメリカ建国100周年を記念して1876年に開館したこの美術館は、ルーヴルやメトロポリタン美術館などと同じく、美術館というよりも観光施設の一つとなっていて、ガイド・ブックや紹介記事、雑誌、美術館本などが無数にありますし、名画も多過ぎるので、詳細はそれらを参照して頂くことにして初めての試みとして、私のある日の日誌を英語書きの部分だけを日本語に直してそのまま載せましょう。

2011年10月14日(金)。4回目の訪館。ただ9年ぶりとあってほとんど記憶はない。開館時間の10時数分前に着く。入館待ちの人は10人足らずで思った程多くない。

ボストン美術館の入場券は10日間有効。確かにじっくり見て回ると、1日では足らない。

正面入り口からまっすぐ進み、突き当たりの階段を上がって、2階の241号室、ヨーロッパ美術の最初の部屋から部屋の番号順にフロアー・マップをチェックしながら、見落としのないよう観ていく。

階段の両脇にマイヨールの彫刻が1点ずつあった。242号室にレンブラントが3点あり、1点は彼がアトリエにいるのを描いた22歳頃の作品だが、中央に大きくイーゼルとキャンバスを描き、本人は左側に小さく描かれている。

工房を構えたばかりの青年の心細さを暗示しているのか。室内で幅広の帽子を被っているのも面白い。

8部屋廻ったところで11:35。混雑を避け少し早目にランチにすることにして、1階のニュー・アメリカン・カフェへ。

ここは美術館中央の大ホールにあり、3階まで吹き抜けで解放感があり、気分がよい。スープ、サラダ、パン、紅茶。

食べ終える頃には、カフェの待ち行列ができていた。再び2階に戻る。1階155号室、ゴーギャンの「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか」を最後にヨーロッパ美術全25室を廻り終えた頃には15:15になっていた。

1階のザ・ガレリアでお茶にする。アップル・タルトとカプチーノ。30分程休んで、地下のグンド・ギャラリーで公開中の「ドガとヌード」展へ。

油彩15点、パステル39点、モノタイプ25点、デッサン33点、リトグラフ5点、彫刻20点が迷路のように構成された通路に並ぶ。

ドガは女性の背中に魅せられていたようで、顔の見えない絵が多い。しかし、よく飽きもせず同じようなモティーフを生涯追求し続けたものだ。じっくり観ていくと1時間経過していた。

続いて2010年に増築され、北中南米の芸術を展示するアメリカ美術ウィングへ。この増築で以前よりも28%の増床となった。1階121号室から3階336号室まで47室ある。ここに3時間、地下の古代アメリカ文明8室に20分。

途中、通路上の高い天井に人がぶら下がっているオブジェが数体あった。設置するのも取り払うのも一仕事だろう。

赤丸91個だったので、一々の感想は省くが、ヤン・ワイナンツ(1632-1684):オランダの風景画家。エドウィン・アビー(1852-1911):アメリカ、ゴールデン・エイジの画家でイラストレーター。シェークスピアやヴィクトリア王朝に題材をとったものが多い。クラウディオ・ブラヴォー(1936-2011):チリのリアリズムの画家。

これら3画家を初認識した。ココシュカが彫刻をやったことも初認識。ストラディヴァリのヴァイオリンも展示されていた。サージェントの天井画壁画もあった。

金曜日の閉館時間の9時45分までいるつもりだったが、8時を過ぎると流石に疲れてきた。ホテル近くのレストランで夕食を摂ることにして出る。

アメリカの東海岸でしか見たことのないロー・クラム(生蛤)はいつもながら最高。

注:私には1000人余りの気になる芸術家があり、美術館に行くとそれぞれの作家の作品がどれだけあるかカウントしており、特に優れた作品、つまりその作家の代表作と言えるものには赤丸をつけています。ルーヴルやボストン美術館のような巨大美術館は別にして、赤丸が一つでも付く美術館はそうはありません。