日本には本場のユトリロ美術館を上回る ユトリロ・コレクションを誇る美術館があります。
東京都町田市にある「西山美術館」。
ここにはユトリロの油彩画38点、彩色版画20点、 現存するのは世界に2点しかないというユトリロの壺絵1点もあります。
素晴らしいのは白の時代の作品が15点もある事で、 サノワのユトリロ美術館には8点しかありませんでした。
一代でダスキンのフランチャイズ兼ボトルド・ウォーター販売の東証一部上場の、 株式会社ナックを創業し、現在同社名誉会長の西山由之氏の個人コレクションを 展示すべく、2006年の開館。
このために小山を購入したという事で、小高い丘の頂上にあり、神社に入るような 和風の門をくぐり、日本庭園や竹林、総重量1400トンはあるという鳥海石を 配した庭園等を左右に見ながら坂道を登ると、江戸時代風の武家の門と 5階建の近代的なビルディングが並んで建っています。
左側の武家門を入ると、今も残る多摩の自然を生かした庭園があり、つつじ 4000株と松、梅、桜等が植えられており、四季折々が楽しめるようになっています。
右側のビルが美術館。ロダンの「考える人」が迎えてくれます。
この美術館のもう一つの見物はロダン・コレクションで「青銅時代」や 「鼻のつぶれた男のマスク」、「永遠の青春」などのブロンズ像20点、 「岩と裸の少女」の大理石像1点、珍しいロダンの絵入りの壺、 デッサン、水彩画、版画、署名入りの手紙が展示されています。
1階が受付や売店、2、3階がロダン・ギャラリー、4、5階がユトリロ・ギャラリー。
2階にはカフェがあり、一客30万円とかのマイセンのカップを愛でながら 高台からの多摩の風景を眺めて憩うのも悪くありません。
豪華なコレクションを一人占めして心行くまで楽しめますし、 小田急線鶴川駅からバスの便もあるようですから、 近隣の方は一度訪れてみて損はないでしょう。
パワースポットになる(?)世界の銘石28個11トンとか、 ひいき力士の優勝賞品のおすそ分けとか、所有している名鯉の 優勝トロフィーとかの展示は、個人美術館の事ゆえ眼を瞑らねばなりませんが。