美術館訪問記-245 西山美術館

(* 長野一隆氏メールより。写真画像クリックで原寸表示されます。)

添付1:ユトリロ作
「ベルリオールの家(壺絵)」

添付2:ユトリロ作
「サノワの通り」 1912年頃

添付3:ユトリロ作
「田舎の教会」  1913年頃

添付4:ユトリロ作
「ラバン・アジル」1914年 

添付5:西山美術館

添付6:ロダン作
「考える人」

添付7:西山美術館館内

添付8:ロダン作
「青銅時代」

添付9:ロダン作
「絵入りの壺」

日本には本場のユトリロ美術館を上回る ユトリロ・コレクションを誇る美術館があります。

東京都町田市にある「西山美術館」。

ここにはユトリロの油彩画38点、彩色版画20点、 現存するのは世界に2点しかないというユトリロの壺絵1点もあります。

素晴らしいのは白の時代の作品が15点もある事で、 サノワのユトリロ美術館には8点しかありませんでした。

一代でダスキンのフランチャイズ兼ボトルド・ウォーター販売の東証一部上場の、 株式会社ナックを創業し、現在同社名誉会長の西山由之氏の個人コレクションを 展示すべく、2006年の開館。

このために小山を購入したという事で、小高い丘の頂上にあり、神社に入るような 和風の門をくぐり、日本庭園や竹林、総重量1400トンはあるという鳥海石を 配した庭園等を左右に見ながら坂道を登ると、江戸時代風の武家の門と 5階建の近代的なビルディングが並んで建っています。

左側の武家門を入ると、今も残る多摩の自然を生かした庭園があり、つつじ 4000株と松、梅、桜等が植えられており、四季折々が楽しめるようになっています。

右側のビルが美術館。ロダンの「考える人」が迎えてくれます。

この美術館のもう一つの見物はロダン・コレクションで「青銅時代」や 「鼻のつぶれた男のマスク」、「永遠の青春」などのブロンズ像20点、 「岩と裸の少女」の大理石像1点、珍しいロダンの絵入りの壺、 デッサン、水彩画、版画、署名入りの手紙が展示されています。

1階が受付や売店、2、3階がロダン・ギャラリー、4、5階がユトリロ・ギャラリー。

2階にはカフェがあり、一客30万円とかのマイセンのカップを愛でながら 高台からの多摩の風景を眺めて憩うのも悪くありません。

豪華なコレクションを一人占めして心行くまで楽しめますし、 小田急線鶴川駅からバスの便もあるようですから、 近隣の方は一度訪れてみて損はないでしょう。

パワースポットになる(?)世界の銘石28個11トンとか、 ひいき力士の優勝賞品のおすそ分けとか、所有している名鯉の 優勝トロフィーとかの展示は、個人美術館の事ゆえ眼を瞑らねばなりませんが。