美術館訪問記-225 ポスター美術館

(* 長野一隆氏メールより。写真画像クリックで原寸表示されます。)

添付1:ポスター美術館正面

添付2:ポスター美術館内部

添付3:第1回ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ金賞受賞作

添付4:展示中の日本のポスターの一つ

添付5:ポスター美術館中庭と新展示棟

添付6:ヴィラヌフ宮殿正面

添付7:ヴィラヌフ宮殿内部

添付8:ヴィラヌフ宮殿裏庭

ワルシャワの南東10km程の所に広さ24ヘクタール(約7万3千坪)という広大な ヴィラノフスキ公園があり、この中に17世紀末にポーランド王、 ヤン・ソビエスキ3世が建てた夏の離宮、ヴィラヌフ宮殿があります。

現在は宮殿と内部の調度品や多数の絵画、彫刻、タピストリー等を見学できる 施設として有料で開放されているのです。

公園の入口には明確な地図がなく、宮殿を探して迷いながら歩いていると、 瀟洒な建物に遭遇。MUZEUM PLAKATSUとあり、 これが世界最初のポスター専門の美術館、「ポスター美術館」なのでした。

ポスターにはそれほど興味はなく、訪問先予定には入れてなかったのですが、 ファサードの美しさと、招くような2頭の白馬の彫刻に魅かれて入ってみました。

ここは前回の国立美術館の分館で、国立美術館に保管されていた13000点の ポスターを展示する目的で、独立して1968年開館。 その後ポーランド国内ばかりでなく、諸外国からの寄贈で所蔵品は6万点を 超えているとか。

ここに来て初めて知ったのですが、ポーランドはポスターの先進国のようで 1966年に第1回ワルシャワ国際ポスタービエンナーレをこの種のものとして 世界で初めて開催。以後2年毎に開催される、業界では、世界で最も重要で 名誉あるアートイベントへと成長して来ているのです。

ちなみにその第1回の栄えある金賞に選ばれたのは日本人、永井一正の 「朝日スタイニー」のポスター。

そういう経緯もあってか、あるいは日本人ポスター・デザイナーの能力が高いのか、 日本のポスターもかなりの展示面積を占有していました。

増大する所蔵品を展示するために途中で新館を建て増したようで、裏庭に出ると 反対側に2階建ての展示棟がありました。 しかしそこに行くには庭を横切るしかなく、雨の日には不便な事でしょう。

目的地のヴィラヌフ宮殿は両翼を持つ華麗な造りで、緑の芝生が目に鮮やかです。

国王の宮殿だっただけに家具や装飾品は立派でしたが、 絵画は次から次と連なる部屋々々に多数展示されているものの、 これという興味を惹くものはありませんでした。 価値ある物は、ナチス・ドイツのポーランド占領時に持ち去られたのか、 あるいは、国立美術館へ移されているのでしょうか。

2階の窓から見える裏庭の美しさが救いでしたが。