美術館訪問記-202 レントス美術館

(* 長野一隆氏メールより。写真画像クリックで原寸表示されます。)

添付1:レントス美術館外観

添付2:対岸から見た、夜赤く照明されたレントス美術館

添付3:クリムト作
「女性の頭部」

添付4:クリムト作
「マリア・ムンクの肖像」

添付5:エゴン・シーレ作
「ハインリッヒとオットー・ベネッシュの肖像」

添付7:パウラ・モーダーゾーン=ベッカー作
「3人の子供達と山羊」

添付8:レントス美術館から見た対岸の景色

ウィーンの西150kmぐらいの所にオーストリア第3の都市リンツがあります。 といっても人口19万人余り。日本で言えば142位の八千代市と同じくらいです。

この街の中心を縫って流れるドナウ川に面して「レントス美術館」があります。

レントス(Lentos)とはリンツ(Linz)の古い名称です。

2003年開館のモダンな美術館は川沿いのため、洪水に備えて、 展示空間が2階に上げられた長方形の単純な形状の躯体を両端で支えています。

第160回で触れたスロバキア共和国のブラチスラヴァにある、 同じドナウ川に接する、スロバキア国立美術館と同様な構造です。

但しこちらの方はガラスが全面を覆い、周囲の景色を映して光輝いています。

これだけ存在感のある美術館も珍しい。

夜間には、この全面が赤と青の2色に照明される演出があり、より一層際立ちます。

ここには、世界でも数少ない、クリムトの作品が4作もあります。

美術館のポスターにもなっている「女性の頭部」と「マリア・ムンクの肖像」、 「牛舎の牛」、「夕方の果樹園」。

最初の2作は未完成なのですが、十分に魅力的で、 改めてクリムトの才能を認識させられました。

クリムトと切っても切れない仲のエゴン・シーレの、一目で彼の作とわかる、 彼にしてはまともな、肖像画も1点。

ココシュカが、対岸の小山の上から描いたらしい、 「リンツ風景」と題する、1955年作の絵もありました。

ドイツ以外ではあまり見かけることのない、パウラ・モーダーゾーン=ベッカーの 若々しい絵も1点目に付きました。

美術館の真下の空洞部分から見る、対岸の景色も素晴しい。

小山の頂上に、ペストテンクベルク巡礼教会の2連の塔が見え、直ぐ対岸には ガラス張りのモダンな、アルス・エレクトロニカセンターが映えていました。

(添付6:ココシュカ作「リンツ風景」は著作権上の理由により割愛しました。
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