美術館訪問記-160 スロバキア国立美術館

(* 長野一隆氏メールより。写真画像クリックで原寸表示されます。)

添付1:スロバキア国立美術館正面

添付2:スロバキア国立美術館エステルハージ宮殿

添付3:ヤン・ファン・ホイエン作
「港の帆船」

添付4:シモン・ヴーエ作
「アレクサンドリアの聖カタリナ」

添付5:ヤーコプ・デ・ヴェット作
「歴史画」

チェコ共和国の南東にスロバキア共和国があります。 1993年1月1日にチェコスロバキアから分離独立してできた比較的新しい国です。

首都はブラチスラヴァ。人口43万人。オーストリアとの国境に接しています。 ウィーンの東、50km足らずの場所に位置します。

スロバキアはチェコとは経済的に相当遅れがあるようで、 チェコの首都プラハに比べると、首都とは名ばかり、 田舎のうら寂しい観光都市といった風情でした。

そんな街の中で一際目立つのが「スロバキア国立美術館」。 ドナウ川に面して建つ近代的なビルディング。

しかしそれは正面のファサードだけで、中央に広く取られた空間からは中庭越しに 再建された本体のエステルハージ宮殿の優美な姿を眺める事ができます。

凹字型に両翼を張った宮殿の前面に目を惹く新館を誂えているのです。

ドナウ川の氾濫に備えて、主要作品を水害から守るため高い位置に展示室と 保管庫を持つ新館を作成したのが真相のようです。

所蔵品は数だけは多いのですが、特にこれといったものはありません。 かろうじて1点ずつのサロモン・ファン・ロイスダールと ヤン・ファン・ホイエンの風景画、シモン・ヴーエの一作が目に付いた程度。

レンブラントの弟子でオランダのハーレムで暮らしたヤーコプ・デ・ヴェットの 師匠によく似た歴史画もありました。

プラハ国立美術館群の煌びやかなコレクションを目にした後だけに 一層落差が際立って感じられました。 経済力の差がここにも現われているのでしょうか。

膨大な数のスロバキア人画家や彫刻家達の作品が展示されていましたが、 知っている名前は全くありません。

作品もどこかで見たようなものが多く、西洋の先達の模倣から抜け切れていない 感がありました。

中で印象に残ったのは明瞭な色彩のGejza Angyalと マルケのような淡く清澄な色彩に詩情を感じるErnest Zmetakの作品。

今回初めて画家名と地名をアルファベットで表記しましたが、 スロバキア語で何と発音するのか、確信が持てなかったのです。

(添付6:Gejza Angyal作「静物」」、および 添付7:Ernest Zmetak作「Rabča風景」は著作権上の理由により割愛しました。
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