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第41期名人戦第1局大盤解説会(目白椿山荘)

2016/08/31

井山七冠に高尾紳路九段が挑戦する第41期名人戦七番勝負の第1局が8月30日と31日の両日目白の椿山荘で開催された。囲碁ファンの興味は井山七冠の牙城を誰が崩すかである。最近の七大タイトル戦をみても挑戦者の完敗が目立ち、高尾九段は井山名人に対して第35期と第40期に挑戦したが全敗している。井山ファンであってもここはどうしても高尾九段に頑張ってもらいたいところ。

東京はこのところ台風の影響などで荒天が続いたが、8月最終日は好天に恵まれ、文京区の椿山荘で14時から先着200名で大盤解説会があるとのニュースを聞き、早めに出かけた。

JR山手線目白駅からバスで椿山荘ホテル前下車。目の前にそびえたつ有名な椿山荘は、山縣有朋の屋敷だったといい、その後藤田観光の経営となり、2012年フォーシーズンズホテルとの業務提携契約が終了し、現在は「ホテル椿山荘東京」の社名となっている。 現役の頃ここで研修があり何日か通った。朝、目白駅からバスに乗ると、途中に日本女子大があることから、大勢の若い女子大生の乗客に囲まれ、うれしくもあり照れくさくもあった思い出がある。十数年前親戚の結婚式でも来たことがあった。

何度も案内嬢に訪ねながら地下1階の解説会場にたどり着いた。整理券をもらい13時30分の開場までしばしホテル内を見学。14時からの解説会では、張豊猷八段、下坂美織二段の両プロが解説を担当。対局も勝負どころを迎えたところ。

同じ会社囲碁部OBの中山さんも来ていたので一緒に観戦。中山さんは地下鉄一駅の距離に住んでおり大盤解説会には何度も来ているという。囲碁ファンにとっては、何人ものプロ棋士の解説や話も聞け、次の一手問題に参加し、楽しい解説会であった。

114手目、白の井山が右上辺に打ち込んだ場面

なによりも対局自体が大変面白く、息詰まる5時間半の観戦だった。高尾九段が下辺に大きな地を取り、地合いで全く足りない井山名人が、左辺、上辺、右辺の三か所に次々と仕掛けた猛攻を、高尾九段がきわどく全部生きて19時29分井山名人が投了した。 局後の井山名人の感想では正しく打てば右辺の黒石に活きがなかったらしい。


ホテル内

下坂二段は先月椿山荘で結婚式を挙げた(入籍は一年前)。ご主人の棋力についての会場からの質問に対して、「相手の先で私が勝てる気がしない」とのこと。アマのトップクラスといえる。

下坂二段の結婚式の記事(週刊「碁」)。中山さんに結婚式の記事を見せてていたら、隣の席に座っていた、子供連れの若くて綺麗なお母さんが、左側の「秀芳喜び自戦解説」記事の写真に写っている子供を指さし、「うちの子です」とのこと。母子の話を漏れ聞いていると、子供も強いらしい。

解説の張豊猷(チョウ リユウ / Chang Li Yu)八段と下坂美織二段

大淵浩太郎四段、一力遼七段、趙治勲九段。趙九段はいつも冗談めいた解説をするが、言葉に親近感がある。

(朝日デジタルサイトより)

別室にプロ棋士が大勢いて検討しており、会場からのリクエストで藤沢里奈三段と新聞解説の河野臨九段が登場。河野九段は現在棋聖戦Sリーグでも活躍中。

藤沢三段は謝依旻女流五冠との女流本因坊戦挑戦手合い5番勝負が9月13日から始まる。会場からの心構えを問われ、「一生懸命に頑張ります。」こちらも謝女流五冠の牙城を崩してほしい。

会場の後ろの席にいた、戸島花さんも登壇。戸島さんはAKB48出身、NHK「囲碁フォーカス」の司会を務め、2014年日本棋院の囲碁大使に任命された。

記念に両者のサイン入り扇子購入。


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