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Google DeepMind Challenge Match

2016/03/19

ソウル3月13日(Googleサイトより)

2016年3月春は、人間対人工知能の勝負の話題で持ち切りとなった。囲碁ファンのみならず囲碁を知らない人たちも試合の結果に感心を持った。

Google DeepMind Challenge Match
対局日黒番白番結果
① 2016/03/09李世ドルAlphaGo白中押し勝ち
② 2016/03/10AlphaGo李世ドル黒中押し勝ち
③ 2016/03/12李世ドルAlphaGo白中押し勝ち
④ 2016/03/13AlphaGo李世ドル白中押し勝ち
➄ 2016/03/15李世ドルAlphaGo白中押し勝ち

グーグルは周到な準備をして、ソール市内のFour Seasons Hotelを三カ月前から匿名で予約していた。このホテルは昨年10月にオープンしたばかりだが、今度の囲碁の試合で世界中から注目を浴びた。ホテルのゼネラルマネージャー曰く「グーグルは大切な顧客だが、今回は人類として李世ドルを応援せざるを得ない」。

下馬評では、AlphaGoが勝てると思った人はほとんど無かったが、ふたをあけてみると5試合のうち最初からAlphaGoが3連勝してしまった。4局目こそAlphaGoの弱点が出て李世ドルが勝ったが、AlphaGoの4勝1敗とAIの進化を十分に見せつけた。結果を考えてみると、例えばAlphaGoが全勝してしまっていれば、チェスや将棋のようにもう人間は勝てないとある意味では興覚めになるところだが李世ドルが一つ返したことが、双方に課題を提供した。AlphaGo側からすれば負けた原因を探り、人間側からすれば、未だ勝てる可能性があるのではないかと考える。映画のターミネーターでは、人間とコンピュータが兵器で争うが、今回はAlphaGoの開発者と李世ドルとの盤上の対決。AlphaGoの開発者も予想が付かなかった手もあったという。プログラム開発では予期せぬ悪い結果はいくらでもあり得るが、予想を超えた誰も考え着かなかった良い結果もあり得る。それがAlphaGoが学習した結果とすれば、人間もそれを学ぶことになり、新しい技を知ることになる。

学習能力を備えたAIがいずれ人間の知性を超えて人間が予測不可能に発達する特異点を「シンギュラリティ」と人工知能研究の世界的権威カーツワイルは唱えた。今回の囲碁の対局でシンギュラリティが近いか既に到達したのかとも思った。 囲碁日記No.141

これまで、囲碁の話題が一般的なメディアの話題になることは少なかったが今回のことで、囲碁に興味を持った人が増えたと思う。

Four Seasons Hotel Seoul  

二つのサイトを紹介。
○ What we learned in Seoul with AlphaGo (Official Blog)

○ 高尾紳路九段が見たシンギュラリティの風景(日経ビジネス)



これまでの「囲碁日記」はこちらからどうぞ。

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