囲碁日記

復興支援チャリティ囲碁イベント

2011/05/08日本棋院

日本棋院のホーム・ページや囲碁新聞などに「東日本大震災復興支援イベントのお知らせ」 があり、「日本棋院は、3月11日に発生した東日本大震災の被災者支援に向け、復興支援囲碁イベントを開催し、その収益のすべてを日本赤十字社に寄付します。」というので積極的に参加した。

市ヶ谷の日本棋院入口には「こころの碁」とあった。囲碁を通じてプロ棋士と囲碁ファンが共に集い復興の一助に役だってもらおうというこころ、と解釈した。

当日入場料は2,000円。ベテラン男性棋士3人と若手女性棋士3人の10手交代の公開対局や、著者本即売サイン会、100局指導碁、体験入門教室などがあった。指導碁付き入場券は5,000円であった。以前六本木で開催された囲碁イベントで有料の指導碁を受けたとき、多くの人が後ろを通り見られて落ち着かなかったので今回は遠慮したが、実際の指導碁は見物は出来ないことになっていた。代わりに井山裕太名人のサイン入り本を購入した。

今回は関西や中部でも同日開催され日本棋院が総力を上げたイベントとの印象を受けた。自分も、秋田県生まれで、就職してから仙台で14年間勤務したこともあり、囲碁ファンでもあり、復興の一助となれればと思った。
解説のプロによると、囲碁は何歳になっても楽しめる、現役プロの杉内雅男9段は、(大正9年生まれ)91才で活躍しており、昨年の成績が9勝7敗だったという。囲碁には年齢制限はないということ。

週間「碁」によるとこの日日本棋院には317名が集まった。東京本院と関西総本部の義援金203万2768円が日本赤十字社を通じて被災地に寄付された。また東京・中部・関西の棋士会から合計300万円が日本赤十字社に寄付された。

JR市ヶ谷駅構内に囲碁モザイクアート「長生の図」。囲碁でいう長生とは白黒とも同じ手数の繰り返しになり、双方譲らなかった場合無勝負と決められている。

日本棋院の入口の案内。「こころの碁」とは意味深長。

司会の小川誠子6段。小川プロは日本棋院東京棋士会長。

大竹英雄日本棋院理事長の挨拶のあと一分間の黙祷があった。

対局する若手女性棋士とベテラン棋士の6人。

聞き手と解説のトップバッターは万波奈穂2段と張羽棋聖。あいだにいるのは仙台出身で平成9年生まれ、平成22年プロになった一力遼初段。

最初の対局者は謝依旻5段と林海峯9段の台湾出身同士。握りで男性陣の先番となった。右辺黒の中国流に対し白が右下の黒に4線の大ゲイマにかかる「裏ガカリ」といわれる布石。黒は左から二間にハサみ、白は右方5線にケイマした。

対局者2番手は、鈴木歩6段と石田秀芳24世本因坊。鈴木プロは親戚が宮城県で被災したとのこと。また鈴木プロは3月3日に行われた棋聖戦最終予選で勝てば女性棋士初の決勝リーグ入りという対局で河野臨9段に敗れた。

聞き手と解説2番手は、大沢奈留美4段と小林光一9段

対局者3番手は万波佳奈4段と小林覚9段。万波プロは最近小学校の同級生で大学時代に再会した男性と8年間の交際のあと結婚した。

(碁バイルセンター「万波日記」より。)

下辺から中央にかけての激しい攻め合いになり、どちらかがツブレて早く終わるのかと思った。

解説は向井千瑛4段と河野臨9段。向井プロは3月11日地震の時に、謝5段と女流名人戦の対局中であった。続行不可能で中断となり、謝プロが次の手を封じて女流タイトル戦としては異例の打ちかけとなった。

解説が高尾紳路9段に変わった。高尾プロも終わってしまうのではと心配。

聞き手と解説が、三村芳織2段と三村智保9段の夫婦の組み合わせとなった。

チャリテーなので、対局は打ちかけで終わり、全員せいぞろい。 いままでテレビでしか観たことがない大勢のプロ棋士本人に合うことが出来た。

中ほどからの写真。会場は300席ほどが満席となり立ち見も多かった。

午後から3階フロアで行われた100局指導碁。金秀俊8段は最近髪の毛が薄くなった。

先月指導碁を打っていただいた光永淳造6段も見えた。

初心者入門教室の講師は潘坤ト初段。

書籍販売サイン会の張羽棋聖。

入口でもらったバッチ

私が購入した本。プロのサインの分1,000円高くなっており、被災地に寄付される。張羽棋聖や山下本因坊の本も買いたかったが予算オーバーで控えた。

井山裕太名人のサイン。「克己」とは良い言葉である。最近の井山名人は、タイトル戦の経験を積んで、十段のタイトルを張棋聖から奪取し、一回り大きくなったような気がする。





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