囲碁日記

第4回大和証券杯ネット囲碁レディース・大盤解説会


大和証券と取引のあることから、時々囲碁関連メールも送られてくる。大和証券では株式などの取引に応じたポイント制度があり、ポイントがたまると景品がもらえる。この景品の中にプロ囲碁棋士との対局もある。例えば本因坊との対局は10,000ポイント、他のプロ棋士は3,000ポイントなど。私は後ろから大勢の人に覗かれるようなところではうてないので応募したことはない。大和証券は社会人の囲碁大会の常連でもありネット囲碁棋戦も主催している。 昨年の3月にも「第3回大和證券杯ネット囲碁グランドチャンピオン決勝戦」の大盤解説会に招待され、その時の様子も本サイトに掲載している。

4回目の今大会は準決勝で、万波佳奈4段と万波奈穂2段の姉妹対決になったことと、21才の奥田あや2段が、1回戦で昨年と1昨年連続優勝の謝依旻女流3冠、2回戦で本日大盤解説聴き手役の大沢奈留美4段、3回戦では鈴木歩5段と強敵を破ってきたことで、評判になった。 また決勝に進出した2人は来年1月から開催される第4回大和証券杯ネット囲碁グランドチャンピオン戦の出場権を得ている。

解説会の場所は東京駅八重洲北口に隣接し徒歩30秒の大和証券新本店ビルの17回。13時30分開場とあったので写真のとれる良い席をと思い13時20分ごろ到着するとすでに受付前には50人ほどの列が出来ていた。並んでいたところ、万波佳奈4段が到着し、すぐ横を通っていった。薄いピンク色のドレスがよく似合っていた。
対局者は別の19階にてパソコンソフト「幽玄の間」で対局し、大盤解説は大型プロジェクターに映し出された画像で行われた。
写真的にはスクリーンが逆光になりフラッシュを使うと良いが遠慮した。


奥田あや2段(週間囲碁より)

トーナメント表

解説は高尾紳路9段、聴き手大沢奈留美4段。高尾9段はユーモアたっぷりの話しぶりで会場を沸かせる。美人の大沢奈留美4段は細い目をさらに細くして話を合わせる。

万波4段の先番。右下黒の星に白はケイマにかかり、黒のケイマ受けに対し白は右辺星下に3間に開いた。 黒は一旦左上スミに高くかかったあと、右辺の白の3間にうちこんだ。ここから延々と続く闘いの火ぶたがきられた。奥田2段は闘いに誘い込み、万波4段も左上でシチョウ有利にしておいてから受けて立ったということか。高尾9段曰く「僕は打ちこみが怖くてとても3間にはひらけない」。

3間の真中に打ちこんだ黒石に白下ツケ定石のあと、白は2分され、中央に延びた石と、右辺から上辺に延びた2つの石をしのがなくてはならなく、苦戦を強いられた。高尾9段「白苦しいがしのげば地合いで有利」。

右上すみで白が三の三に犠牲打を放ち、右辺から上辺の白は生き、しのいだ。

白は危なかった2群の石が無事におさまって、リードとの解説であったが、その後白は左辺の黒と下辺中央の黒を無理ぎみに切断したため、左辺に大きな黒地を造られ、下辺の黒も捕れなかった。ここで再度逆転となりそのまま黒の6目半勝ちとなった。

別室から、対局者が解説会に降りてきた。万波4段は幾分上気した顔色。

奥田2段も負けたが満足のいった様子。もっと精進してまたここに立ちたいとのこと。女性としては低いが張りのある素敵な話し声でした。タイトル戦初登場の奥田2段に応援したが残念でした。

2人ともこうしてみれば普通の若い女性

神田英日本棋院常務理事から表彰状を受ける。神田9段は最近、11才の藤沢里菜初段に負けた9段としてニュースになった。理事としては喜んだかもしれない。

万波4段のスピーチ。逆転勝ちばかりで運がよかった。来期のネットレディースや、ほかの対局でも結果が残せるように今後も精進していきたいと思います。

最終譜・黒6目半勝ち

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