館山囲碁合宿
2009/04/24
現役の頃、会社囲碁部に入部していた。退職後もOBとして参加できるので続けている。
今年は合宿幹事をやることになった。
2009/4/24から2泊3日で千葉県館山の保養所で総勢39人の囲碁合宿があった。7年ほど前に参加し成績が
悪かったのでしばらく不参加であったが、2008年の秋から最近では2度目の参加になった。
この合宿は毎年春と秋の保養所が比較的空いている時期に2回開催され、プロの光永5段を講師として招待している。光永5段は東大囲碁部主将からプロになった棋士である。今回の合宿での対局は高段者から順にA,B,C,Dの4クラスに分け、各クラスごと総当り戦、光永5段は4面打ちで全員と対戦していただく。
幹事の役割は、3ヶ月前の保養所の予約から始まり、囲碁部全員へのお知らせでの参加申し込み案内、変更、予算案作成、プロ棋士の招待、参加者の部屋割りからユカタのサイズ、飲み物の追加注文の保養所との交渉、など大変忙しい思いをした。
参加者の意向はさまざまで、日頃の研鑽の結果を試したり、棋力向上を主目的とするものだけでなく、酒を飲み楽しく碁を打ちたいと思っている人もいる。どちらにも賛同するが、囲碁が3度の飯より好きであることについては全員共通である。
各リーグはハンデイ戦でプロはこれまでの成績から10.5段とみなし、最下位のメンバーは一級であった。メンバートップはAクラスの8段3名というハイレベル。この囲碁部は社会人囲碁大会では、つねに優勝候補でそれなりの実績もある。今年も大きな大会で連覇を果たした。私は囲碁部では3段なので一番下のDクラス。3.5段から一級までの9人とプロの指導碁も含めて10戦した。初戦相手は、初段のOさんで2子局の白から5目半コミ出しであった。Oさんは力が強くこれまでの対戦成績は私の方が負け越している。いやな相手と初戦になったと思ったが、結果は案の定盤面で白の2目勝ちであったがコミがあり負けになった。他の碁会所でも2子の白番の勝率が最も悪い。4子局以上の白番だと結構黒も間違ってくれるので勝てるが2子だと棋力も近く置石がものをいう。この合宿は全敗すると降段することになっており不吉な予感がしたが、逆に気合が入り、慎重に打ったおかげでいつもの手拍子で打ってしまうことがほとんどなかったためか、残りの9試合を全勝することが出来た。
光永5段による指導碁
プロの指導碁は8子局であった。どこを見ても3連星でこれで負けるハズがないと昔は思っていたが、最近になってプロの技を知れば知るほど勝つのは難しいと解ってきた。プロの本当の実力では星目(9子局)でも勝てないのではないかと思う。プロは最初の一手を天元に打ってきた。その後、辺の地を白に譲り中央の地をとる作戦をとった。
後半ぼろぼろとスミの石を取られたが、中央の貯金がものをいいなんとか勝つことができた。Dクラスでは9勝1敗で優勝であった。
この合宿は、毎月行われる会社での月例会とリンクされており1年間有効の入賞ポイントを積み重ね、あるポイントに達すると昇段することになっている。この規定により私のポイントが9点に達し、3.5段に昇段できた。上が使えているので0.5段ずつの段位になっている。1年前、会社囲碁部で3段で5割り以上の勝率を目標としたが、達成でき大変にうれしい。当然次の目標は4段である。
解説会の様子(囲碁部サイトから借用,解説に引き込まれ撮るのを忘れてしまった)
全クラス対局終了後、光永5段による棋譜解説があった。
棋譜解説はプロと対戦した人が任意に申し出て行うが、なんとプロは全員の棋譜をそらんじている。最初の数手を申し出るとプロのパソコン操作によりスラスラと手順が再現される。素人相手の4人同時対局の手順を38人分全部記憶しているのである。勘所でプロがどう思っていたか、正しい手はどれかなどの解説があり、この手はどうですかと、活発な質疑応答があった。プロのヨミの深さと記憶力のすごさに驚嘆の連続であった。このような活動を毎年続けていく
囲碁部は全体のレベルが向上する。自分も何とか付いてゆきたいと思っている。
帰りはアクアライン経由で、海ホタルで休憩し海底トンネルを掘った掘削機の刃を見た。
実際に使われたものらしい。
今回(2009年春)合宿2日目は激しい雨で予定していたハイキングは出来なかったが、2008年秋の合宿2日目はハイキングを行った。
例年中日はハイキングが人気で房総の山を登る。普段、登山の趣味のない人がほとんどであるが、運動も大切。
このときは烏場山(265m)の「花嫁街道入口」から花嫁街道途中の「経文石」まで。90分ほどの登りで結構シロートにはキツイ
コースであったが、大自然に囲まれ木々の間から遠くの眺望を楽しみながらの握り飯は格別。
シイの木に抱かれた石には経文が彫られていたらしいが、今ではよく見えない。それでもハイキングの後は爽快な気分になり、
前日まで囲碁の成績が2勝4敗であったが帰ってからは4戦全勝でかろーじて4位にはいり1ポイント獲得できた。
今回2009年の合宿で昇段できたのはこのときの1ポイントがきいた。
最終日閉会式後の房総の道路から東京湾はるか遠くに富士山がみえた。