囲碁に惹かれて

30年前に手に入れた碁盤と碁石


囲碁は大学時代に覚え、夢中になってすぐに初段程度になった。
会社勤めになって、会社の囲碁クラブに所属し昼休に打ったり、月に一度の碁会に参加 していたが弱い2段程度からほとんど棋力は向上しなかった。いまにして思えば布石もなにもなく なんとなく石を散らばせ、石が接近してくるとそれなりに力を出せるときもあるが、接近しないと 全く手も足もでない、そんな碁を打っていた。いつも悔しい思いをしていた。
昨年から、定年を機会に囲碁を本格的に勉強してみようと決心した。

現役のころ日本棋院で開催された社内囲碁会にて

退職まで勤めていた会社の囲碁クラブでは、社会人大会への参加、毎月のプロ棋士指導の例会や囲碁会、 春秋の囲碁合宿などの活動をしている。退職したOBの参加も多く、私も最後のほうからなんとかついていけるよう にしている。また、八重洲で開かれる3カ月毎の高校同窓会東京支部の囲碁クラブにも参加している。

町内会囲碁クラブへの参加や、新百合ケ丘駅前の碁会所にも毎週通っている。 囲碁書籍やNHK杯囲碁争奪戦、ひかりTVの「囲碁・将棋チャンネル」などでも時間をかけて勉強するようこころがけている。 これだけ時間をかけるとさすがに勝率がよくなってきた。
やはり、高段者、プロのいうとおり、詰碁と実戦に時間をかけることが必要と実感した。


プロ棋士の棋戦やホームページを見るのも楽しみの一つだ。 NHK杯囲碁や、「囲碁・将棋チャンネル」の竜星戦、ドコモ杯「女流棋聖」戦も毎週見ている。 竜星戦は、NHK杯に出ていない棋士も出場するので興味深い。女流棋士は平均年齢が若いこともあり、 乱戦になることが多く、私などみていて大変に面白い。また、女性が真剣にヨミに没頭している姿は華麗である。 好きな女流棋士は、巻幡多栄子3段など。棋士ではないが稲葉禄子さんのファンでもある。彼女はNHK杯の聞き手で はじめてみたが、聞き上手で視聴者の疑問点なども的確に解説のプロ棋士に聞いてくれる。また囲碁関連ビジネスでも活躍している。 実力はアマ6段となっているが、正月にNHKテレビで打ったのをみてかなりの棋力であると思った。


稲葉禄子さんのブログ 

囲碁の魅力は、人間の思考力の深さと多様性が表現されるところかと思う。鋭い切れ味で一瞬にして手が読める 人や、じっくりと腰を落として本格的に先をよむ人もいる。自分は鋭い切れ味はないので、このタイプと対戦し相手 のペースでポンポン打つと大抵見損じして負ける。とはいってもどう打てばよいかじっくりと考えることも苦手で 間違ってはならないというプレッシャーから早く逃れたくて悪い手を打ってしまい、後悔することが多い。 落ち着いて自分のレベルでは最良の一手を発見することを楽しみ、としなくてはならないと思うが、この境地にはいまだ 到達できない。いつも後悔の繰り返しである.......。

棋力差に応じてハンディ(置石)をいただけるので高段者とも対等に試合(置碁)ができる。置碁はたいてい下手(したて) が負けるが大変勉強になり、たまには勝てせてもらえる。以前はハンディをもらって打つことがほんどであった。 最近は逆の立場も増えたが、いかにハンディが上手にとってきついかが分かってきた。
日本の囲碁人口240万人、中国2500万人、韓国766万人、北米50万人 全世界で4200万人といわれているが、年齢・性別・国籍 をとわず幅広い層の人と向き合え、知り合いになれる。 町内会の囲碁クラブで打った人は大正生まれだといい、とても強く元気な碁を打つ。私も80歳、90歳になっても囲碁を長く 楽しみたいとせつに思う。またこの囲碁クラブに定年退職後、囲碁を始めたという人がチラホラ入会してきている。

囲碁は、金がかからない趣味である。町内会の囲碁クラブは入会時と年1回1000円、毎週通っている碁会所の席料は800円で、 10回通うと1回無料になり、割安なクーポンもある。 また私は利用していないが、インターネットで世界中の囲碁愛好者とも自宅で対戦できる。