LG杯決勝三番勝負第2局大盤解説会

●LG杯決勝三番勝負第2局大盤解説会◯

2018/02/07

日本の囲碁棋士が国際戦の早碁以外13年間勝っていない。本当に久々に訪れた世界戦決勝戦で井山九段が勝つことを日本中の囲碁ファンは望んでいる。

今回22回を迎えたLG杯は世界のトップ棋士32人が参加し昨年11月に準決勝まで行われ、井山裕太九段と謝爾豪(Xie er hao 中国・19才)五段が勝ち上がった。優勝賞金は3億ウォン(3,000万円)。

決勝三番勝負が2月5日、7日、8日の日程で日本棋院にて開催されている。第一局では、終盤まで優勢だった井山七冠が突如負けてしまった。

韓国や中国の棋士相手の国際戦で日本の棋士は途中まで優勢でも最後は負けてしまうことが多く、日本中の囲碁ファンもまたしても同じパターンと思った。

全三局ともにスカパーの囲碁将棋チャンネルでLive中継され、三日間とも市ヶ谷の日本棋院で大盤解説会が開催されている。

2局目の7日に市ヶ谷の日本棋院大盤解説会に出かけた。解説会は正午開始、開場は11時半からということで11時15分ほどに会場に着くと数十人が階段まで並んでいた。 前から三列目の席に座った。壇上のスクリーンには現在の様子が映し出されていた。対局は9時から始まっており中盤に差し掛かっていた。解説 高尾紳路九段、聞き手 吉原由香里六段。

井山九段は序盤で誤算があり大きく形勢を損じた。多くのプロ棋士が、井山が負けるのではと思っていたそうだ。私レベルでも同様に感じた。

しかしここから、井山九段が次々に勝負手を放ち形勢不明になり、最後の最後に半目勝ちとなった。今朝の朝日新聞によると相手の謝五段も「なぜ負けたのか信じられない」とのコメント。

私などはほとんど勝っていた碁に負けたときは、実質勝っていたと自分でなんとなく納得するが、プロ棋士は大変なショックを受けるらしい。8日の最終局も大盤解説会に行きたかったが、夕方予定があり、テレビ観戦。


8日に行われた、最終の第3局では、井山九段が序盤少しリードしたかに見えたが、謝五段が井山陣に打ち込み、これを凌いで勝利した。期待していた日本人ファンにとっては大変ストレスが溜まったが、別の見方とすれば相手の謝五段の打ち方が見事であった。持ち時間についても、長時間の日本の棋戦には課題があるように思う。

解説会は12時から。その前から対局が会場のスクリーンに写されている

会場のモニターには対局室の様子が写されている

PC操作は寺山怜五段。時折解説の高尾紳路九段から意見を求められる

王銘琬九段は立ち合い人なので「コメントは控えたい」と笑いを誘う

高尾紳路九段によると終始井山九段が不利であったが、良く半目を残したと感心していた。

吉原由香里六段

朝日新聞2018/02/09朝刊切り抜き