美術館訪問記-126 ブールデル美術館

(* 長野一隆氏メールより。写真画像クリックで原寸表示されます。)

添付1:ブールデル美術館

添付2:ブールデル作
「アポロンの頭」

添付3:ブールデル作
「弓を射るヘラクレス」

添付4:ブールデル作
「巨大馬像」

添付5:ブールデル作
「モントーバンの戦士」

添付6:ブールデル作
「アポロンと瞑想・走り寄る詩神たち」

添付7:ブールデル作
「自画像」

ロダンの弟子だったブールデルの「ブールデル美術館」はパリ市内の南、モンパルナスにあります。

彼はトゥールーズの美術学校で彫刻を学んだ後、1884年パリに出、 翌年今美術館があるところに家を構え、1929年に死ぬまで住み続けました。

当時この辺りは芸術家が多く住んでおり、 隣には画家のウジェーヌ・カリエールがいました。 カリエールのアトリエは現在ブールデル美術館の中に保存されています。

ブールデルは1893年、ロダンのアシスタントになり、 1900年「アポロンの頭」を作って独立するまで共同制作を続けました。

彼は師のロダン同様、自宅を美術館にする構想をもっていましたが、 実現する前に死亡。意を継いだ妻と娘からのブールデルの住居、 アトリエや作品の寄贈により、1949年美術館として開館しました。

ここには900に近い彫刻、1500のデッサン、100の絵画があります。 入って直ぐのグランド・ホールには彼の代表作、 「アポロンの頭」、「弓を射るヘラクレス」等。

庭に出るとアルゼンチンの独立の英雄であるアルベアール将軍の記念碑として 作られた「巨大馬像」や「四神像」、「モントーバンの戦士」等があります。

シンプルでありながら太く、強く、 存在感と臨場感溢れるダイナミックな造形に仕上がっています。

2階に上がるとテラスにパリのシャンゼリゼ劇場のために作られた大理石彫刻を ブロンズ鋳造した、「アポロンと瞑想・走り寄る詩神たち」があります。

伸びやかで、がっしりとした安定感があり、 リズム感と躍動感と共に力強さがあります。

熱海のMOA美術館にも同じものがありますね。

2階から見る中庭の景色も捨て難いものがありますが、裏庭も面白い。 巨大な黒い母子像とケンタウルス等の彫像が緑濃い木陰に静に佇んでいます。

何か時間のエアポケットに入ったような静寂な空間です。

アトリエにはブールデル自筆の油彩の自画像やウジェーヌ・カリエールの 油彩3点がかかっていました。

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