ポーラ美術館(神奈川県箱根町仙石原)

ポーラ美術館 (神奈川県箱根町仙石原)

2023/10/28

神奈川県箱根町仙石原で開催された囲碁合宿の2日目午前中にポーラ美術館を訪ねた。

毎回、囲碁合宿の2日目は朝食後に光永先生の棋譜解説があり、続いてテニス組とハイキング組に分かれて行動している。ハイキング組はガラスの森美術館にいく予定だったが、美術館に詳しい長野さんからポーラ美術館を勧められ、時間調整し変更した。

個人的には2013年の7月に最初の訪問。この時はイヤホン付き音声ガイドを借りて時間をかけて回った。なにしろ音声ガイド解説が終わるまでその絵の前を離れる訳にはいかない。おかげで絵のフレーミングや描かれた時代背景、描画手法まで学んだ。

国内の多くの美術館では写真撮影禁止なこともあって美術館にはしばらく足が遠のいていたがポーラ美術館では2016年から一部を除いて撮影が許可されるようになったと聞いていた。

入場前に写真撮影について確認すると、作品の前に撮影禁止マークがあるという。

作品の著作権保護中は禁止で、消滅したものは可能のようだが、作者の死後70年経ていなくても撮影可なのが目立ったのでスタッフに訪ねると持ち主の許可でOKとのこと。

絵画の著作権保護期間は、作者が亡くなってから70年間。この期間が過ぎると、著作権は消滅し、絵画は社会の共有財産となる。

また、写真撮影はOKだがSNSには掲載できないという表示もあった。

ちなみにレオナール・フジタ(藤田嗣治)の作品はが付いていた。

現在の著作権法はTPP11で改正され、2018年12月30日に発効されたが、それ以前の著作権保護期間は作者の死後50年であった。フジタは1968年1月29日に亡くなったので2018年12月31日で満了するはずであった。

保護期間70年に改正されたTPP11協定の発効日がフジタの保護期間満了の1日前だったためフジタの著作権は2038年12月31日まで保護されることになった。

著作権法では、一度著作権が消滅した著作物については、その保護を後になって復活させるという措置は採らないという国際的なルールがある。

前日深夜までの囲碁対局の疲れもあり、じっくりと絵画と向き合ってキャプションを読む気にならず写真撮影に注力し後ほど調べてみようと思った。

タイトル「シン・ジャパニーズ・ペインテング」とした展覧会はこれまでの日本画とは違う印象を持った。 最近「シン+何々」という文字をよく見かけるが、発案者は「シン・ゴジラ」などのアニメ映画監督の庵野秀明らしい。「震」「神」「真」の漢字の意味が重ねられているという。

館内の展示室は薄暗く当然フラッシュは使えないので手持ちでどこまで撮れるかチャレンジ。シャッタースピードは1/30から1/60秒で、ISOは最大6400に抑えた。必要に応じて露出補正+0.3程度。




ポーラ美術館サイトよりYouTube動画




入口から谷底に向かって美術館が建てられている。国立公園内の建造物のため制約があったらしい

三瀬夏之介作品

岡倉秋水「 慈母観音図」1915年(大正4)

下村観山「唐茄子畑」1910年(明治43)頃

横山大観「山に因む十題のうち 霊峰四趣 秋」1940年(昭和15)

川端龍子「新樹の曲」1932年(昭和7)

岸田劉生 「麗子坐像」1919年(大正8)

岡田三郎助 「あやめの衣 」1927年(昭和2)

杉山寧 「孔雀 」1956年(昭和31)

加山又造 「黒い薔薇の裸婦」 1976年(昭和51)

杉山寧 「水」 1965年(昭和40)

杉山寧 「蒼」 1966年(昭和41)

杉山寧 「薫」1975年(昭和50)

杉山寧 「翕」 1989年(平成元)

杉山寧 「洸 」1992年(平成4)

ペリクレ・ファッツィーニ(イタリア・1913-1987)「踊り子」1937年

山本基 「たゆたう庭」 2023年(令和5)。塩を使っている

山本基「時を纏う」

山本基

深堀隆介「方舟2」2015年。透明樹脂を繰り返し流し込みながら、アクリル絵具で絵を重ねて立体的な金魚を描くという独自の技法

野口哲哉 「Clumsy heart 」2018年(平成30)。clumsyとは「不器用な、ぎこちない」という意味の形容詞。高さ30センチほど。口紅でハートを書いている

吉澤舞子 「エルピスの花冠」 2023年(令和5)。エルピスはパンドラの箱に最後に残された希望とも災いとも

谷保玲奈「蒐荷」 2020年(令和2)。蒐荷は荷を集めること

谷保玲奈 「Bulb」, 「腹部の余韻」 2023年(令和5)

山本太郎 「紅白梅図屏風」 2014年(平成26)

ベルト・モリゾ(フランス・1841〜1895)「ベランダにて」1884年

ピエール・オーギュスト・ルノワール「レースの帽子の少女」1891年

アメデオ・モディリアーニ「ルニア・チェホフスカの肖像」1917年

アンリ・マティス「リュート」1943年

ジョルジュ・スーラ「グランカンの干潮」1885年。点描画法

クロード・モネ「水連の池」1899年

ドーム兄弟「風景文蓋物」1892年頃

エミール・ガレ「貝と水草文栓付瓶」1889年頃

エミール・ガレ「風景文花器」1905年頃

エミール・ガレ「海藻と海馬文花器」1900-1904年

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック「楽屋の踊り子」1885年頃

エドガー・ドガ「踊りの稽古場にて」1884年頃

メアリー・カサット「劇場にて」1878-1879年頃

エドガー・ドガ「スパニッシュ・ダンス」1885-1890年頃

ポーラ美術館からの帰りに車のなかからススキ


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