11月19日から22日まで秋田に帰省する機会があり秋田県立美術館を訪問。何度かこの美術館は訪問しているが今回は木村伊兵衛回顧展が開催されていた。
木村伊兵衛(1901 - 1974)は、20世紀に活動した日本の写真家。戦前・戦後を通じて活動した日本を代表する著名な写真家の一人。報道・宣伝写真やストリートスナップ、ポートレート、舞台写真などさまざまなジャンルにおいて数多くの傑作を残している。特に同時代を生きた写真家、土門拳とはリアリズム写真において双璧をなす。(wiki)
秋田県立美術館は秋田市の "エリアなかいち" 内にある美術館。1930年代を中心とした藤田嗣治(レオナール・フジタ)作品を多く収蔵している。これらは秋田の資産家・美術蒐集家である平野政吉(1895 - 1989)の蒐集によるもの。2013年(平成25年)9月28日、千秋公園内の旧秋田県立美術館(平野政吉美術館)が、お堀と広小路を隔てた場所に移転、再オープンした。
(平野政吉と藤田嗣治)
(平野政吉美術財団所蔵作品)
木村の132点(1936年 - 1971年)の内訳は、夢の島沖縄、著名な画家や文豪・歌舞伎役者の肖像、昭和の列島風景、ヨーロッパ・中国の旅 そして秋田の民族と題して24点。
他に「秋田の写真家たち」と題して岩田幸助、千葉禎介、大野源二郎の作品39点が展示されていた。
岩田幸助の作品は2011年に秋田市立千秋美術館で見たことがあった。秋田県仙北郡(現在の大仙市)で子供時代を送った自分の記憶が蘇り懐かしい思いがした。
(日本人の心の原風景INあきた)
木村が1953年(昭和28年)に秋田県大曲市で撮影した「秋田おばこ」がメインテーマになっている。木村は大曲市在住の写真家大野源二郎の作品「秋田おばこ」を見て写真のモデルとなった女性を訪ねて撮影した。
私が2011年5月15日に「秋田市立千秋美術館」を訪ねた時、この写真を見てネットで検索したことがあった。
その時の記録:
木村伊兵衛は51才の昭和27年6月から昭和46年まで21回秋田を訪れている。この写真は、昭和28年8月のお盆のころ撮ったという。
女性はモデルではないかという人もいるようだが、幼いころ、この女性からバレエを習ったことがあるという仙北市の女性がいたので、農家の女性ではなさそうだが秋田おばこには違いない。また、この女性は、大曲市角間川町(今は大仙市)出身の洋子さんといい大曲高校を卒業し、第一回おばこコンクールの入賞者で、ある人が撮った写真が国際写真サロンに入選し、それを見た木村伊兵衛がアサヒカメラで使いたいと大曲に来て大川西根という場所で撮影した、との情報もある。
平成19年から20年にかけてこの美術館では木村 伊兵衛の写真展があった。
10年以上を経て、現在ではより多くの情報がネットで紹介されている。
柴田洋子さんは同じ秋田県出身の日本画家、佐藤緋呂子さんと友達だったとあった。
佐藤緋呂子さんは秋田北高校の出身で、佐藤さんのお母様のことで2009年に私が高校同窓会のホームページに掲載した記事でメールを頂きお会いしたことがあった。この記事は2021年の今でも読まれている。
(日本一心のこもった恋文「天国のあなたへ」)
藤田嗣治作「秋田の行事」吉永小百合が見ているポスター。シルエットながら女優の立ち姿も綺麗と思う。1937年(昭和12年)平野政吉はこの絵の制作にあたり家100軒分の謝礼を払ったとどこかで聞いた記憶がある