朝日新聞の「世界報道写真展2012」が東京都写真美術館で開催されているとの広告を見て、写真美術館というのも珍しく、この日都心に用事があったので早めに出かけて立ち寄った。
「世界報道写真展2012」は、2011年に撮影された124の国と地域5247人の応募から選ばれた170点を展示。
2011年、世界的にも多くの出来事が報道された。 何といっても1,000年に一度と言われた東日本大震災が日本人には強く印象づけられているが、世界的な視点からも多くのショッキングな映像が展示されていた。
大賞となったのはサムエル・アランダ氏(スペイン)がイエメンのモスクで傷ついた男性を抱きかかえる女性を写した作品。白い裸の男性と黒い二カーブ(目だけ見せるイスラム女性の服装)の女性のコントラストと、顔が見えないことが逆に深い悲しみを想像させる。二カーブの女性は、男性の母親だという。
関心をもったのはもう一枚。昨年の日本の津波被災地で、朝日新聞東京本社の恒成利幸カメラマンが撮った涙を流す女性の写真。震災直後CNNのホーム・ページでみたことがあったこの写真は3月13日に宮城県名取市閖上(ゆりあげ)で撮影されたものだという。
写真
南アフリカに棲む角を切り取られたサイの写真。サイの角は漢方薬として珍重されており密漁が絶えない。
イエメンでは、25才の男性と6才の花嫁の写真。児童結婚の風習を社会問題としてとらえている。
さすがに世界トップクラスの報道写真展というだけあって、迫力があった。
この展示写真は、8月5日まで展示され、その後日本各地を廻る。
他の階で展示されている、
「光の造形~操作された写真~」
現在のようにデジタル写真をさまざまに加工するソフトがなかった時代、写真を加工する技術と作品が紹介されていた。
「川内倫子展 照度 あめつち 影を見る」
を見た。
4階には図書室があり、休憩を兼ねて「世界報道写真展2012」のマガジンを閲覧。
恵比寿ガーデンプレイス、中央の青い垂れ幕が東京都写真美術館
東京写真美術館入り口