北京故宮博物院200選

東京国立博物館 2012/02/10

東京国立博物館140周年特別展「北京故宮博物院200選」に行った。 現役のころ出張で中国にいった折り、故宮には3度行ったが、その規模の大きさに皇帝の権力を思いしらされた。上野に故宮の宝物がやってきたのくるというので、足を運んだ。
 入口で、「大変混雑しておりますのであらかじめご了承ください」と係員。いまさら帰る訳にもいかない。 エスカレーターで2階に行くと展示室入口からも大変な混雑であった。書から始まっており列がなかなか進まない。 中国では書が骨董として珍重されているらしいが、見ていてもよくわからないので飛ばした。
 青銅器や玉器、陶磁器、漆器、琺瑯器、染織品などを見るにつれ、次第に引き込まれていく。

 中国美術史上屈指の名画といわれる「清明上河図(せいめいじょうかず)」(北宋時代)が展示されていたが、本物は1月24日までで、以降は複製品とあったが、それでも見事なものであった。12世紀の生き生きとした一般庶民のくらしが鳥瞰図的に細かい筆遣いで巧みに描かれている。

 続いて、「康熙帝南巡図巻(こうきていなんじゅんずかん)」第11巻と第12巻(全12巻 清時代、康熙30年[1691年]の作)が展示されていたが、大変色彩が綺麗でなんと長さが26メートルと33メートル。こちらは皇帝と軍隊の威光を強く印象づける。 顔を近づけ細かい筆致に関心しているといつまでも飽きない。12巻の制作に6年を費やしたという。

この展覧会は、36日目の2月11日で入場者が20万人を超えたとのこと。2月13日には、心臓手術を5日後に控えた天皇陛下もご来場した。


・東京国立博物館研究員のブログ

・康熙帝南巡図巻 第9巻がネットにあった。


東京国立博物館。今回は隣りの平成館での特別展として開催。

「清明上河図」に感動し、絵葉書を購入。以下絵葉書のコピー。オフィシャルサイトの解説を転記した。

右端からはじまり郊外から。柳が新緑をつける季節、どこまでも平和な風景が広がります。小川は大河になり、大都市へと流れていきます。

多くの実りを運ぶ船。汴河(べんが)は郊外の豊かな食料や物資を郡市に運ぶ大動脈でした。船から人々が荷を担いで岸に運び込んでいます。仕事の後はお腹が減るのでしょう。となりに食堂も描かれていまず。

城門をくぐって城内へ。お濠にかかる橋を渡れば、ここから城内です。ラクダの隊商が城門をくぐっています。たくさんの商店かたちならび、まるで宋代の町に迷い込んだような臨場感です。

虹橋。これぞ清明上河図のクライマックス! 虹橋とは橋の下を船が通り抜けられるように、橋脚を使わず木組みだけで支えられたアーチ型の橋です。右からくる船がマストをおろし、虹橋にさしかかります。船主で大声を出して叫んでいる水夫、橋桁から身を乗り出すヤジ馬たち...。宋代の都市の喧騒が聞こえてくるような名場面です。