第22期竜星戦決勝「三劫」

2013/09/27

囲碁・将棋チャンネルの囲碁番組「第22期竜星戦決勝」が9月27日20時から放映された。
ここまで、山下敬吾名人と河野臨9段が予選ブロックから決勝トーナメントを勝ち上がっての決勝対決となった。
 白番の河野9段が左辺から上辺の黒を捕りに行き、攻め合いになりほとんど白が捕って河野9段の2度目の優勝かと思った。解説の小林光一9段も白が攻め合いに勝っていそう、白の有利な寄せ劫と言っていた。攻め合っている石には三カ所の劫ができ、白からは上辺の1劫をつないで本劫にし攻め合いに勝つことはできるが、白からは劫材がなく、下辺の白が捕られることになり、右辺の黒地と合わせて地合いは黒が大きく、白は劫を続けるしかない。
 結果はなんと三劫無勝負となった。三劫の規定が「日本囲碁規約」では、「双方の合意によって無勝負」との通り立ち会いのマイケル・レドモンド9段のもと、双方合意となった。小林9段も「三劫について話には聴いたことがあったが、見たのは初めて」。9千局に一度の確立という。有名な話として、本能寺で日海と日蓮宗僧侶の利玄が織田信長の御前にて手合いをし、三劫が出来た。翌日信長は明智光秀の謀反によって自害したことなどから、三劫は不吉な前兆とも言われている。
 再対局は、持ち時間無しの一手30秒の読みとなり、河野9段の中央の黒が捕られて山下名人の中押し勝ちとなった。 夜20時からのテレビ放送が23時30分まで続いた。局後の山下名人「劫の取り番で間違って反則負けになることを心配した、無勝負になってホッとした」。 それにしても、将棋の千日手のように「同じ局面が4回出現したら千日手となる」と規定するべきで、双方合意の上とは曖昧である。日本人同士なら同意することになると思うが、相手が極度に疲れているのが見えている場合など、間違うのを期待して何時間でも続けることもあり得る。





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