テレビ囲碁アジア選手権 -日本大会-

2013/06/30

日中韓3カ国のトップ棋士が争う第25回テレビ囲碁アジア選手権大会が6月28〜30日、東京都千代田区のホテルニューオータニ開かれ、決勝で日本代表の井山裕太棋聖(24)が韓国代表の朴廷桓(パクジョンファン)九段(20)を破り、公式の世界戦(国際棋戦)で初めて優勝した。
 世界戦での日本代表の個人戦優勝は2005年のこの大会を制した張栩九段(33)以来。 井山棋聖はいつも世界戦で勝てる棋士になりたい言っていたが、実現出来てファンとしても大変うれしい。

この日NHKのE-テレでは13時30分からの決勝戦をLIVEで放送した。これまで、ほとんどのテレビ棋戦は、収録が多くLIVEは珍しい。
最近は試合結果を放送日まで非公開にしても、ネットで知られてしまうことが多く、NHKとしては思い切った放送と思った。
 ここまで日本の棋士は、韓国と中国の棋士にほとんど勝てなくて、いつも落胆することが多かったが最近は、日本の棋士も危機感をもった様子で、もしかすれば、との期待もあり、日曜日の12時から前日に行われた準決勝までの対局に続き、決勝LIVEを観た。

会場となった東京都千代田区ホテルニューオータニ

抽選で組み合わせが決まった。井山九段は、初戦で これまで3回対局し、一度も勝っていないイ・チャンホ九段とあたった。
 井山九段は、見事イ・チャンホ九段を破り、結城九段も中国の江九段に勝った。

結城九段は、2回戦で韓国のパク・ジョンファン九段に敗れたが、井山九段は中国の王檄九段を破って決勝まで勝ち上がりパク九段との対戦となった。「力自慢の王檄九段に対し堂々と力で勝った」と2回戦解説の王銘エン九段。
 決勝戦棋譜読み上げの中島美絵子二段と時計かがりの安藤和繁四段はご夫婦。

にぎりの結果、白番井山九段、黒番パク九段となった。
 白22(P16)と上辺右に打ち込んだ。

黒33手(B16)左上辺のハネに対して、白34(L15)に切った。

白は左上辺で5子を捨てて、左辺と右辺を厚くした。

白70(G13)と上辺を跳ね出した。この手は黒のダメ詰まりを誘い、上辺の取られている白5子の逃げだしを見ている。

白は取られていた5子を逃げた。
 黒81(J17)に対し、上辺左の白はD18の2線の押さえが隅の黒に対して効いているのと、右の白への渡りアジの両方が効いており、手抜きで生きている。

白は82(H12)と種石を助けることが出来て、白がリードしたことは、私も解った。
 白104(N15)と抜いた形が右上辺の黒を薄くした。

白164(P12)と3子を取り勝勢となった。

盤面でもはっきり白勝ちと解説の結城九段。
 198手で白中押し勝ちとなった。

優勝の井山裕太九段。優勝賞金は250万円とNHK杯の500万円より少ないが、優勝はカップの重みとともにズっすりと実感できたと思う。





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