ふれあい囲碁

2011/09/25 (囲碁サロン向ヶ丘遊園)

囲碁サロン向ヶ丘遊園 に於いて9月25日(日)日本棋院プロ棋士安田泰敏九段の講演会が開催された。 安田九段は、文化庁から文化交流使に指名され、「ふれあい囲碁」の普及のために世界・国内各地を訪問している。
 自分の子供たちに囲碁を教えることに失敗した私自身の経験があり、囲碁をしらない人にいかにして囲碁に興味を持ってもらうかいつも問題意識を持っている。知人は、立派な碁盤を持っているが、自分が死んだら碁盤がもったいないので孫に小づかいをあげながら囲碁を教えているという。

「NPO法人ふれあい囲碁ネットワーク神奈川」の代表となっている安田プロはおなじNPO法人の理事の二人とやってきた。
 自身がスポーツ選手になりたかったがケガをして断念。その後お爺さんから囲碁を習ったなど、プロを志すに至った経緯を語り口調が柔らかく、子供たちに親しみを感じさせるに十分と思った。

オーストリア、ロシア、スイス、イスラエルなど海外での囲碁普及の経験談を、各国の子供の様子や教育事情などを交えて 語った。スイスでは、小学生でも落第があるという。
言葉が通じない国でも囲碁の説明は出来たが、これからは外国語が必要と力説。

この日は子供教室の子供たちのお父さんやお母さんも出席。ほとんどは囲碁は知らないらしい。30代後半の働きざかりとみられるお父さんは疲れた顔をしていたが、男のお子さんと熱心に聞いていた。

子供たちがもらったサイン。講演で「夢を周囲の人に話して、応援してもらおう。」と語っていた。

NPOの方から購入した、命を救う「ふれあい囲碁」」の本。安田プロのこれまでの活動が書かれている。
 安田プロは中学生のいじめ自殺の報道を契機に「ふれあい囲碁」活動を初めてこれまで10年間で30万人以上の人と囲碁を通してふれあった、という。 障碍をもった子供たちの心と触れ合う手段として囲碁がいかに役に立つかが、多くの事例とともに述べられている。
 講演が終わって、名刺をいただいたNPO理事の女性が、熱心にふれあい囲碁の活動について話してくれた。大学性と高校生の子供はかなり囲碁が強そうなことを聞いたが、本人は余り強くないとのこと。棋力向上意欲よりも、ふれあい囲碁の活動に主力を注いでいる印象を持った。この本を読んで彼女が活動に熱心な理由が解ったような気がした。 

柏市の看護師の方が、「ふれあい囲碁を通じて、少子高齢化時代のさまざまな課題(児童虐待、いじめ、不登校、障碍児者への理解、介護予防、痴呆予防、ひきこもりなど)が地域社会の中で解決できると思います」「囲碁は心がつながる魔法の道具」とまで書いている。
私自身の経験からみても囲碁は確実に人の輪を広げる。

 余談であるが、安田プロの本のなかで、「障害」の文字を使わずに「障碍」と表記している。
 **「障害」という言葉は、かつては「障礙」とか「障碍」と書いていた。しかし戦後の漢字制限で「礙」「碍」の漢字が表外漢字になってしまったため、「害」という漢字を宛てて「障害」と書くことが広まったのである。 「害」という漢字は障害者が他の人に何か害を与えるみたいで不穏当だ、と主張する人がおり「碍」も「妨げる」という意味であるであるが「害」と違って、誰かを傷つける、害するという意味はない。** (ネットより)



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