囲碁に打ち込む


The Passionその3(聖羅さん卒業対局)

2009/10/18

藤田聖羅さんの「The PASSION!!(囲碁・将棋チャンネル)」の最終収録があったので市ヶ谷の「竜星スタジオ」に応援に出かけた。少し時間があったので日本棋院1階に展示されていた、先日亡くなった藤沢名誉棋聖の奥さまモトさんの手記を読み、ともに過ごした50年の思いに感動。偉い人である。
スタジオに行ってみると稲葉禄子さん、藤田さん父娘、記録係の方がおられた。 藤田さん父娘は囲碁を打っており、聖羅さんが勝って調子をつけたいのかと思ったら、お父さんはまだまだ娘には負けないと言われてもらいたい気持ちも少しはあるらしい。藤田さんは娘の卒業試験ということで、スーツ着用。
スタジオのwhite boardで、本日の聖羅さんのインストラクターは下坂美織初段、記録係の女性は下田和美さんとあった。下坂美織初段は現役早稲田大学生で今年プロ試験に合格している。しばらくしてメーク室から出てきた。スラリとした細めのかわいらしい女子大生で、勝負を争うプロ棋士とは思えない。経歴を調べてみると平成15,16年の高校選手権個人女子で2連覇、平成18年学生十傑戦6位入賞とある。プロの技を少しは知っている私からみればプロ棋士は神様のような人。

聖羅さんの対局の放映は11月9日とのことなので、結果は差し控えるが、収録後、黄孟正9段認定のPASSION免状と黄プロ直筆の文字が書かれた扇子をいただき、「半年間長いと思っていたが終わってみれば早かった」ような感想を述べていた。
ランチタイムに記録係の女性、下田和美さんと隣り合わせた機会にいろいろ尋ねた。彼女は元日本棋院の院生で現在はDISのインストラクターで、先日の六本木でのIGO FESTIVALにスタッフとして出ていたとのこと。私もどこかでお見かけしたような気がしたが、DISのホーム・ページかと思う。下田さんは自分のブログに写真を載せているとのこと。

igoインストラクター下田和美のプライベート囲碁ブログ

午後はPASSION今期生徒4人目の将棋プロ棋士大平武洋さんの収録を見学。大平さんはテレビでしか見てなかったが、会ってみるとその名にふさわしく相撲か柔道選手のような見事な体格。「ZONEの解散コンサートに間に合わせる為に 持ち時間を全く使わずに勝ったプロ棋士がいる」というネタで有名らしい。最近はゴルフに打ちこんでいる様子。
途中、白江治彦8段が見えられた。白江8段は稲葉さんの義父にあたる。藤田さんが挨拶したところ、白江8段は昔われわれの会社囲碁部に関係していたことがあるという。奇遇である。白江8段が帰られたあと、「こんにちは、先崎と申します」といって穂坂繭3段がお嬢さんと現れた。穂坂3段は、将棋棋士先崎学8段の奥さま。今日は日本棋院でペア碁の試合があり、先崎8段も上のお嬢さんと参加していたので応援に来ていたとのこと。先崎学8段もThe PASSION!!に出演したことがあるので大平さんの応援にも来たらしい。囲碁と将棋プロの交流もさかんらしい。

The PASSION!!の面白いところは、半年間の指導対局とプロによる棋力の分析と課題があり、生徒4人の年代構成もうまく考えられている。今回も女子大生、私と同年の元数学教師、女子中学生(聖羅さん)、将棋のプロ棋士の構成。司会・聞き手としての稲葉さんが上手に視聴者の疑問を解説のプロに尋ねる。自分ではわかっても平均的な視聴者が悩むポイントを逃さない。

聖羅さんは自分でこの番組に応募したとのこと。私も思いがけず囲碁番組の裏側に接する機会があり、聖羅さんと誘ってくれた藤田さんに感謝している。囲碁の対局だけでなく、囲碁にかかわることがらを知るのも楽しみの一つ。

11月9日の放映で、聖羅さんは下坂プロとの4子局で、惜しくも4目の負けであったが、内容がよく、卒業試験結果は見事目標の4段を上回る5段と認定され、黄孟正9段直筆のPASSION認定の免状をいただいた。また、「恵方」とかかれた黄9段直筆の扇子をいただいた。「恵」とはよいという意味で「方」は方向となり、石がよい・正しい方向に向かうようにとの意味という。長年この番組を見ているが、十分5段の実力ありと、視聴者の一人として納得した。(2009/11/10)


右から、下坂美織初段、聖羅さん、藤田さん


稲葉さんが「ポーズとらなければいけないかな?」。
右から、稲葉さん、下田さん、下坂さん、聖羅さん、赤川、黄9段。


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