囲碁日記

囲碁プロ棋士尾崎宏2段が「なんでも鑑定団」に出演 2010/12/14

毎週中村道場に行くとき駅の売店で週間「碁」を買うが、小さな記事で「尾崎宏二段がテレビ東京「なんでも鑑定団」に出演」とあった。鑑定団は毎週面白く見ている。 中国の古美術は酸で処理し何年も地中に埋めておくなどほとんど偽物。

2年前まで囲碁のプロ棋士として活躍していた尾崎さん。 お宝は44年前、アメリカで手に入れた物。1964年、尾崎さんは知人のアメリカ人に誘われ渡米。ニューヨークに滞在し、一流企業や大学、国連などでアメリカ人相手に碁の指導をしていた。
また、生徒の奥さんたちは生け花を習っており、時おり展示会もしていたのでカメラでその様子を撮影してあげたりして次第に親しくなった。すると1年半後、帰国するとき、仲良くなった奥様の一人に「そのカメラが欲しい」と言われた。買ったばかりだったので惜しかったが、親しくなった記念だと思い、その奥様が花を生けるのに使っていた器と物々交換した。その後骨董に興味を持つようになったが、勉強すればするほど、これがとんでもない名品ではないかと思うようになった。

鑑定の結果殷王朝の青銅器で、世界的なお宝とのこと。鑑定額にびっくりした。

3400年前の殷王朝の青銅器。(カ)といって酒を入れたもの。模様は饕餮文(とうてつもん)といい、饕餮とは中国神話の怪物。体は牛か羊で、曲がった角、虎の牙、人の爪、人の顔などを持つ。饕餮の「饕」は財産を貪る、「餮」は食物を貪るの意である。何でも食べる猛獣、というイメージから転じて、魔を喰らう、という考えが生まれ、後代には魔除けの意味を持つようになった。一説によると、蚩尤の頭だとされる。

鑑定のあと、尾崎プロが「博物館にでも寄付しますか」と言ったのを島田紳助があわてて取り消していた。

自分には関係ないが、おめでたい話である。


44年前のアメリカでの囲碁指導の様子

司会の島田紳助が尾崎プロに「偽物」と冷やかす

こちらが鑑定品

いかにも長い年月を経た感じがしてひょっとしたら本物?

永年見ているが今までみたこともない鑑定結果の金額。世界の宝と鑑定の中島誠之助氏が絶賛。

饕餮文(とうてつもん)という装飾。

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