2025年12月30日、私が1966年に卒業した秋田県立秋田工業高校のラグビーチームが大阪花園ラグビー場で開催された全国大会の2回戦で奈良県代表の御所実業に0対73で敗れた。

(AI生成画像)
勝てるとは思っていなかったが、テレビで観戦したが全く手も足も出なかった。この結果秋田関連のSNSなどでも相当ショックだったという投稿があった。
秋田工業高校は6月に行われた東北大会で優勝している。なぜこれほど力の差があるのか。
今回は同じ県立の工業高校である佐賀工業高校を例にGoogle AI Geminiとの対話で探ってみた。
佐賀工業高校は私が高校生だった頃から現在も高校ラグビーで活躍を続けている県立高校で、全日本で活躍した五郎丸歩氏の出身校である。
高校ラグビーが大阪花園ラグビー場で開催中ですが、多くの昔は強かった公立高校が姿を消し、全国から素質のある選手を集められる私立の高校が勝ち進んでいます。そのなかで公立でありながら佐賀工業高校は毎年良い成績を残しています。他の公立高校チームとは何が違うとおもわれますか。
佐賀工業高校の全国大会での主な実績
連続出場記録: 現在44大会連続出場(第105回大会を含む)を継続中で、これは歴代トップクラスの記録です。
通算出場回数: 54回(第105回大会を含む)
最高成績: 準優勝(第80回大会/2000年度)
この時は決勝で伏見工業(京都)に敗れましたが、佐賀県勢として初の決勝進出を果たしました。
ベスト4: 過去に複数回進出しており、近年では第103回大会(2023年度)でもベスト4入りを果たしています。
近年の成績(直近5大会)
近年も安定して上位に進出する力を持っていますが、第104回大会は激戦の末に惜敗しています。
第104回(2024年度): 2回戦敗退
1回戦:○ 29-19 松山聖陵(愛媛)
2回戦:● 10-14 東海大大阪仰星(大阪)
第103回(2023年度): ベスト4
準決勝で東福岡(福岡)に敗れましたが、全国3位の好成績でした。
第102回(2022年度): ベスト8
第101回(2021年度): ベスト8
第100回(2020年度): 2回戦敗退
*第105回はシード校として出場し東海大大阪仰星高校(大阪1)に2回戦で6-7で負けた。
チームの特徴
強力なフォワード: 伝統的にフィジカルの強い大型フォワードを擁し、モールやスクラムで圧倒するスタイルを得意としています。
五郎丸歩選手の母校: 日本代表として活躍した五郎丸歩選手の出身校としても有名です。
悲願の「初優勝」を目指して、毎年強力なチームを作り上げてくる学校です。
高校ラグビーにおいて、佐賀工業高校は「公立校でありながら、私立の強豪校と渡り合える」極めて稀有な存在です。多くの公立校が部員不足や環境面で苦戦する中、なぜ佐賀工業だけが別格の強さを維持できるのか。
調査の結果、佐賀工業は「公立の枠組みを超えた、国と県を挙げたバックアップ体制」と「私立並みのリクルート・育成環境」を確立している点が、他の公立校との決定的な違いであることがわかりました。
具体的に何が違うのか、主な4つのポイントを解説します。
1. 「SAGA SSP」による国・県レベルの支援体制
これが他の公立校との最大の違いです。佐賀県は「SAGA SSP(Saga Sports Pyramid)」という構想を掲げ、県を挙げてアスリート育成に取り組んでいます。
* 科学的・金銭的支援: 通常の公立部活動予算では不可能な、スポーツ科学に基づいた動作解析、専門家によるメンタル・栄養指導、さらにはジム費用の公的補助などが受けられます。
* 一流指導者の招聘: 「競技伴走型支援」として、中央(日本代表レベルなど)のコーチを招き、地元の指導者と一緒に強化に当たる仕組みがあります。
2. 公立なのに「県外から選手を呼べる」環境
通常、公立校は学区内の選手しか集められませんが、佐賀工業には私立強豪校顔負けのインフラがあります。
* 専用寮の完備: 公立では珍しくラグビー部専用の寮があり、福岡や大分など九州全域から有望な選手を受け入れることができます(部員の約半数が県外出身の年もあります)。
* 人工芝グラウンド: 公立校の多くが土のグラウンドを他部活と共用する中、ラグビー専用に近い人工芝環境を持っています。
3. 「小中高」一貫の育成パイプライン
「高校から始める」のではなく、入学前からすでに佐賀工のイズムを知る選手を育てています。
* OBによるアカデミー: 佐賀工OBが指導する中学生向けアカデミー(ROCK FORCEアカデミーなど)があり、実質的な下部組織として機能しています。
* 「五郎丸歩」を生んだブランド力: 元日本代表の五郎丸歩氏らを輩出した名門としてのブランドが確立しており、「ここでやれば大学やトップリーグに行ける」という信頼が選手を集めます。
4. 「先の将来」を見据えた指導哲学(小城イズムの継承)
かつての名将・小城博元監督(五郎丸氏の恩師)から現在の枝吉監督に至るまで、共通しているのが「ピークを高校に持ってこない」という育成方針です。
* 多くの高校が「花園で勝つこと」をゴールにしがちですが、佐賀工は「大学や社会人で活躍できる素材作り」を重視します。この「使い捨てにしない」という評判が、親や有力選手からの信頼に繋がっています。
まとめ:他の公立校との違い
| 特徴 | 一般的な公立強豪校 | 佐賀工業高校 |
| 選手層 | 地元の公立中学出身者が中心 | 県外からも寮生活で受け入れ |
| 資金・支援 | 部費とOB会費が頼り | 県(SAGA SSP)からの公的強化予算あり |
| 施設 | 土のグラウンド・共用 | 人工芝・専用寮・外部ジム補助 |
| 育成 | 高校3年間で完結 | 中学アカデミーからの6年一貫に近い強化 |
つまり佐賀工業は、「公立高校の学費の安さ」と「私立強豪校並みの環境」をハイブリッドで実現している、全国でも特異なモデルケースと言えます。
今年の佐賀工業高校のラグビー選手の出身中学は?
第105回全国高校ラグビー大会(2025年度大会)における、佐賀工業高校の主力選手の出身中学(出身ラグビースクール)を調査しました。
結論から言うと、「九州全域(特に宮崎・長崎・福岡)の有力選手」と「関西などの遠方からの留学生」が主力を形成しており、まさに先ほど解説した「広域リクルート」を裏付ける構成となっています。
判明している主な主力選手の出身地・中学は以下の通りです。
1. 九州・他県からの主力選手(寮生)
特に宮崎県の富島中学校や、長崎県、福岡県からの進学が目立ちます。
* 主将 / FL:光武 龍平(3年)
* 出身:鹿児島県(中学時代は鹿児島県選抜として活躍)
* CTB/WTB:河野 拓真(3年)
* 出身:宮崎県・富島中学校
* ※同校出身の田中選手、山本選手なども在籍しており、太いパイプがあります。
* SO:村中 響(2年)
* 出身:長崎県(長崎県選抜出身)
* SH:池上 璃空(2年)
* 出身:福岡県(福岡県選抜出身)
* PR/HO:北川 虎之介(2年)
* 出身:長崎県(長崎県選抜出身)
* SH/SO:橋場 璃音(2年)
* 出身:宮崎県・富島中学校(※昨季から1年生で活躍)
* LO:笠松 晃汰(2年)
* 出身:長崎県(長崎県選抜出身)
2. 1年生の有力選手(遠方からのリクルートも)
1年生ですでに花園メンバー入りしている選手には、関西出身者も含まれています。
* WTB:丸山 晴矢(1年)
* 出身:兵庫県(兵庫県ラグビースクール / 東生野中出身という情報もあり)
* LO/FL:山口 修也(1年)
* 出身:長崎県(長崎県選抜出身)
3. 地元・佐賀県の選手
もちろん県外だけでなく、地元の受け皿としても機能しています。
* 佐賀工業には「佐賀ジュニアラグビースクール」という強力な下部組織的なルートがあり、そこから上がってくる選手もチームの土台を支えています。
まとめ
今年のチームも、キャプテンが鹿児島出身、バックスの要が宮崎や福岡出身、フォワードの核に長崎出身者がいるなど、「オール九州+α」と言える布陣です。
地元・佐賀の選手と、これら県外から覚悟を持ってやってきた選手たちが切磋琢磨している点が、今年のチームの強さの源泉となっています。
では秋田の公立高校も佐賀工業高校のように、他県から積極的に有望な選手をスカウトし寮に住まわせる、など同様のことをするべきだろうか? 県立高校は県の税金で成り立ち県民のためにある。ラグビーに限らず現在の高校スポーツは本来あるべき方向から逸脱している。
「古豪」の誇りと、県立高校の現実
母校のラグビー部の試合で大差で負けて涙を拭っている後輩を見るたび、胸が熱くなると同時に、ある種のやるせなさを感じることがある。 かつて全国で名を馳せた母校も、今は私立強豪校の厚い壁に阻まれることが多くなったからだ。
OB・OGの間からは「昔はもっと強かった」「今のチームは覇気がない」といった嘆き節も聞こえてくる。その気持ちは痛いほど分かる。自分たちが築き上げた歴史への愛着があるからだ。
しかし、冷静に見直すべき時が来ている。 現代の高校スポーツは、もはや「根性」や「伝統」だけで格差を埋められる時代ではない。越境入学や特待生制度による戦力の集約化が進み、公立校が全国上位を維持することは、並大抵のことではないのが現実だ。
圧倒的な戦力差がある中で、それでも伝統のジャージに袖を通し、タックルに向かう後輩たち。 彼らに必要なのは、過去の栄光と比較したダメ出しではなく、今の厳しい環境下で戦っていることへのリスペクトではないだろうか。
勝つことだけが伝統ではないはずだ。 結果が出ないことを嘆くよりも、時代が変わってもラグビーを愛し、母校の部室を守り続けてくれている彼らの「今」を、温かく見守る度量を持ちたいと思う。