昨年おこなわれたUEC杯コンピュータ囲碁大会の優勝ソフト「Zen」 (開発 : TeamDeepZen) が武宮9段に挑んだ。
将棋ではコンピュータソフトはプロレベルに達したといわれている。囲碁は、難しいとされてきたが、2006年ごろモンテカルロ木探索という手法により改良され格段に強くなった。
今回の手合いは1局目は5子局、勝ち負けにより次は置き石が1子増減する一番手直り(持ち時間 : 30分、切れたら一手30秒)。
対局場となった電気通信大学では解説会が行われた。対局前の拍手での予想では、大方武宮9段の勝ちと予想されていたが、「天頂の囲碁3」で強さを知っている私は5子ではZenが勝つと予想した。
解説 : 王銘エン9段 ・ 矢代久美子5段
武宮9段との5子局。黒石を置いているのは、Zen開発者の加藤秀樹氏。
黒はあっさりと右下スミを捨てた。左上のパラパラとある黒石は打ちこまれた場合を想定して要所にあるらしい。
武宮9段は形勢よくないと思ったらしい。王銘エン9段は「なぜ白が劣勢になったか解らないような不思議な気分」
結果は黒の11目勝ちとなった。
休憩のあと4子局開始。
左上からの黒石を捨てた。黒は中央の2段バネが良い手とのこと。
白が下辺11の十六に出たところ、黒は手を抜いて左上2の六に出た。これが20目ほどの手という。
またしても黒優勢
結果黒20目勝ち
武宮9段。「こんなに強いとは思わなかった。」
王銘エン9段によると「強い県代表クラスはある。3年前に打った時は7子局であったが、相当強くなっている。」
Zen開発者の加藤秀樹氏も「正直いって5子局でも難しいのでないかと思ったが、想像していたより強かった。」